血液検査による出生前診断の種類とその特徴や精度について

妊娠中の胎児に染色体異常や先天性疾患などの可能性がないか調べることができる出生前診断、その中でも今回は血液検査による出生前診断の種類と、その特徴や精度について解説するとともに、最新の血液検査“Serenity”をご紹介します。

血液検査による出生前診断の代表は母体血清マーカーテスト

出生前診断にはスクリーニング検査と確定診断がありますが、そのうち血液検査による出生前診断の代表は母体血清マーカーテストと呼ばれるもので、スクリーニング検査に分類されます。

母体から少量の血液を採取し、その中に含まれる4種類の成分(AFP・hCG・uE3・inhibin A)を測定する検査をクアトロテスト、inhibin Aを除く3種類の成分を測定する検査をトリプルテストと言います。

血液検査では、胎児が「21トリソミー」「18トリソミー」「開放性神経管奇形」である確率について調べることができます。

血液検査は保険適用外のため自費となりますが、血液を採取するだけの検査手法から母体や胎児への身体的な負担がほとんどなく、また費用もある程度の少額で受けられるというメリットがあります。

ただし検査の精度自体はそれほど高くなく、現在日本で行われている出生前診断のうち、血液検査による母体血清マーカーテストの感度および特異度は80~86%程度と言われています。

そのため、検査結果を確定させるには羊水検査などの確定診断を受ける必要があります。

なお、血液検査を受けることができる時期は妊娠15~21週とされていますが、羊水検査の推奨時期が妊娠16~18週前後となるため、17週までに血液検査を受けることが望ましいと言われています。

血液検査によるもう一つの出生前診断、NIPT

血液検査による出生前診断にはもう一つ、NIPT(新型出生前診断)と呼ばれる検査があります。

2013年から日本でも提供が開始された出生前診断で、母体から少量の血液を採取し、成分を分析することで「21トリソミー」「18トリソミー」「13トリソミー」について調べることができる検査です。

検査の精度は、21トリソミーの例で感度99.10%、特異度99.90%となり、同じ血液検査による出生前診断の母体血清マーカーテストと比べてもきわめて高いことから「新型」として区別されています。

検査結果は陽性または陰性で通知され、陽性的中率は同じ21トリソミーを例に挙げると35歳で79.9%、40歳で93.7%となりますので、偽陽性の可能性もあります。

そのため、陽性の検査結果が出た場合、診断を確定させるためには羊水検査などの確定診断を受けることになります。

しかしながら、NIPTは陰性的中率が99.9%と非常に高く、陰性が出た場合はほぼ安心できるという大きなメリットがありますので、約300分の1程度の確率で流産や破水が発生するリスクのある羊水検査を避けることができる検査と言えます。

こうなると、やはり「NIPTを受けたい」と思う妊婦さんが増えてくるわけですが、現在日本で採用されている一般的なNIPTには、次のような厳しい条件があります。

  • 妊娠10~18週の期間内かつ出産予定日時点で妊婦さんが35歳以上
  • 夫婦またはいずれかになんらかの染色体異常が見られる
  • 過去に染色体異常の胎児を妊娠、出産した経験がある
  • 血液検査を受ける病院で分娩予定でなければならない
  • 検査費用と診察料で高額になる医療機関が多い
  • かかりつけ医が検査を予約し紹介状を用意する必要がある

このような条件や病院側独自のルールに加え、血液検査を実施している施設の数も少ないことから、採血まで数週間から数ヶ月待たなければならないケースも少なくありません。

血液検査による出生前診断の課題をクリアしたNIPT“Serenity”とは?

前述のように、血液検査による出生前診断のうち、母体血清マーカーテストは精度の低さ、一般的なNIPTは検査を受けるための厳しい条件があるなど、それぞれに課題を抱えています。

本来、希望するすべての妊婦さんが精度の高い血液検査を受けられるようになることが望ましいのですが、なかなかそうはいかないのが現状です。

ところが、そうしたNIPTの課題をクリアした血液検査があるのをご存知でしょうか。

出生前診断先進国と呼ばれているイギリスで、正式にラボとして認可され採用されている “Serenity”というNIPTです。

この新型出生前診断には、基本検査である“Serenity Basic”と、全染色体検査である“Serenity24”があります。

“Serenity Basic”

21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーのほか、モノソミーX(ターナー症候群)などの性染色体異常についても調べることができ、希望者には性別判定を追加費用なしで行ってくれます。

“Serenity24”

1~22番の常染色体すべてのほかターナー症候群などの性染色体異常について調べることができ、希望者には追加費用なしで性別判定を行ってくれます。

一般的な血液検査やNIPTでは検査対象がごく一部に限られているうえ、性別に関する検査結果は開示されませんが、これらの検査方法であれば検査対象も広く、希望者には追加費用なしで性別判定を行ってくれます。

陽性的中率も、21トリソミーの例では35歳で85%以上、38歳で90%以上と軒並み向上しています。

また、検査の結果陽性だった場合、奥野病院にて羊水検査を無料で受けることができるほか、検査結果通知後の医師による再診察を無料で受けることもできます。

こうした検査内容の充実さと、採血、検体輸送、事前カウンセリング、検査説明などを含めても“Serenity Basic”が19万5,900円(税別)、“Serenity24”が27万1,400円(税別)のみと、一般的なNIPTや確定診断を受けるケースと比較すると費用を大きく抑えることができます。

※費用は2018年2月時点の費用です。費用は変更となる可能性もあるため、詳細は医療機関までお問い合わせください。

現在、日本で“Serenity”を採用しているのは、東京の八重洲セムクリニックと大阪の奥野病院の2施設です。

「施設数が少ないため予約が取りにくいのでは?」と思う妊婦さんも多いかもしれませんが、一般的なNIPTが採血までに2~3回の診察が必要になるのに対し、“Serenity”は1回の来院で採血することが可能なため、その心配が要りません。

また、いずれかの病院での分娩指定や、かかりつけ医からの直接の検査予約、紹介状なども必要ありませんので、妊婦さんが直接予約を取ることができます。

血液検査による出生前診断をご希望の妊婦さんはぜひ、“Serenity”を検討してみてはいかがでしょうか?

産婦人科医 奥野幸彦 院長

医師監修:産婦人科医 奥野幸彦 院長

自己紹介

産婦人科医としてこれまで多くの相談を受ける中で、妊婦の方々がご出産までの約10ヶ間様々な不安な気持ちを抱えていることを知りました。そんな不安が少しでも減るように日々の治療・検査を通して妊婦の方々に向き合っていきます。

略歴

  • 1977年 大阪大学 医学部卒業
  • 1977年-1985年 大学病院・市民病院・救急病院などで勤務
  • 1986年 産婦人科・外科・内科を備える奥野病院を開院
  • 2000年 ジェンダークリニックを開院
  • 2017年 八重洲セムクリニックを開院

保有資格等

  • 日本医師会 認定産業医
  • 国際出生前診断学会会員
  • 日本産婦人科学会 認定医
  • 母体保護法指定医