日本における出生前診断の現状とは?他国との比較や課題も交えて解説

日本でも徐々に認知度や理解度が増している出生前診断、胎児の染色体異常の有無について調べることができる有意義な検査ですが、日本における現状はどうなのでしょうか?他国との比較や課題なども交えて解説します。

日本における出生前診断の現状

ここ数年、メディアでも取り上げられるなど出生前診断という言葉が徐々に広がりを見せていますが、日本では実施率が2%程度とまだまだ低いのが現状です。

一方、イギリスでは2004年から、すべての妊婦さんが出生前診断を受けることができる体制を整えており、出生前診断先進国と呼ばれています。

アメリカでも約60%の実施率と言われていますので、日本の実施率がいかに低いかが分かります。

出生前診断は、妊娠中の胎児に染色体異常が見られないかどうかを調べることができる検査の総称で、従来の出生前診断と2013年から日本でも開始された新型出生前診断があります。

主な出生前診断は、胎児超音波検査、母体血清マーカーテスト(クアトロテスト、トリプルテスト)などのスクリーニング検査のほか、羊水検査や絨毛検査などの確定診断があります。

確定診断は、その呼称からも分かるように確定的な検査となりますので、精度はほぼ100%となります。

しかしながら、たとえば羊水検査では母体の腹部に針を刺して羊水を採取する検査になるため、200~300分の1程度の確率で流産を引き起こしてしまったり、稀に感染症を引き起こしたりするリスクがあります。

その点、スクリーニング検査は超音波や母体からの採血のみという検査手法になりますので、検査が直接的な原因となっての流産のリスクはほぼありません。

とはいえ、現状では検査の精度という面において確定検査よりも劣るため、まずはスクリーニング検査を受け、なんらかの染色体異常の可能性がある場合、診断を確定させるために確定診断を受けるのが一般的です。

なお、現状日本で一般的に行われているシーケノム社(アメリカ)の「MaterniT21 plus」などの新型出生前診断は、スクリーニング検査に分類されます。

近年、日本では高齢出産を控える妊婦さんが増えていますが、母体の年齢が高くなるほど染色体異常の可能性も高くなることから、出生前診断や新型出生前診断が注目を浴び、徐々に認知度や理解度が高まっているという現状があります。

出生前診断や新型出生前診断を受けることのメリットは、陰性であれば安心できるという点と、染色体異常があることが確定的となったら出産までの時間にさまざまな準備をすることができるという点があります。

特に後者は、両親が障害について知識や理解を深めたり、胎児の状態に最適な分娩方法を選択したり、出生後すぐに適切な治療を開始する準備ができたりなどメリットが多いと言えます。

ただ一方で、染色体異常を抱えていると分かると人工中絶を選択するケースも少なくありません。

少し前にメディアでも話題になりましたが、なんらかの染色体異常が判明した場合、約96%が人工中絶を選択したという記事が公開されました。

人工中絶の是非については非常にデリケートな問題であり、人それぞれ環境や価値観なども異なりますので一概には言えませんが、現状としてこのような結果が出ているということは知っておいても良いでしょう。

出生前診断の中でも特に希望者が多いのが新型出生前診断です。

従来の血液による母体血清マーカーテストなどの出生前診断と比較すると精度がきわめて高いため「新型」として区別されているわけですが、具体的には母体血清マーカーテストの感度・特異度が80~86%に対し、新型出生前診断の感度・特異度は99%と言われています(21トリソミーの例)。

しかしながら、日本で行われている一般的な新型出生前診断は、希望すれば誰でも受けられるというわけではありません。

次は、現状行われている出生前診断の課題について見ていきましょう。

現状行われている出生前診断の課題

出生前診断の中でも特に希望者が多いのは、2013年より日本でも開始されたシーケノム社の「MaterniT21 plus」などの一般的な新型出生前診断ですが、多くの課題を抱えています。

まず、検査を受ける妊婦さん側の条件として、

  • 妊娠10~18週の期間内
  • 出産予定日時点で妊婦さんが35歳以上
  • 夫婦両方またはいずれかに染色体異常が見られる
  • 染色体異常の胎児を妊娠または出産した経験がある
といった条件に当てはまらなければ受けることができないのです。さらに、条件に当てはまったとしても、
  • 検査を実施する病院で分娩予定でなければならない
  • かかりつけ医が検査を予約し紹介状を準備しなければならない
といった病院側が独自に設けたルールも存在します。
  • 検査費用や診察費用を含めて高額になる医療機関が多い
  • 陽性の結果を受けて羊水検査を実施する場合、さらに費用がかかることがある
など、妊娠から出産にかけてまとまった出費が必要になる時期に、多額の出費が必要になってしまう可能性があるのです。

そのほかにも、診察から採血までに数週間~数ヶ月待たなければならなかったり、検査結果が出るまでに2週間程度かかるため、不安なまま過ごさなければならなかったりなど、身体的、精神的な負担も大きくなってしまうのが現状です。

いかがでしょうか?
一般的な新型出生前診断は、非常に有用な検査であるにも関わらず、こうした課題があるため「受けたくても受けられない」妊婦さんが多いのが現状です。

現状の出生前診断の課題を解消できる“Serenity”とは?

今回は、日本における出生前診断の現状と課題を解説してきました。

実は、こうした課題を解消できる新型出生前診断が存在するのをご存知でしょうか?

イギリスは出生前診断先進国と呼ばれているとお伝えしましたが、イギリスにおいて、ラボとして正式に認可され採用されている“Serenity”という新型出生前診断です。

妊娠10週以上で検査を希望する妊婦さんであれば、

  • 年齢制限
  • 夫婦の染色体異常の有無
  • 染色体異常の胎児の妊娠や出産経験
  • 検査実施病院での分娩指定
  • かかりつけ医からの予約や紹介状
などの制約が一切なく、誰でも受けることができるのです。

一般的な新型出生前診断を採用している多くの医療機関では、採血までに2~3回の診察を必要としますが、“Serenity”は1回の来院で採血まで可能なため、何度も通院する負担がなくなります。

また採血から検査結果通知まで平均10日と短いため、不安を抱えながら結果を待つ時間も大きく短縮されます。

さらに、一般的な新型出生前診断とは検査項目が大きく違うのが特徴で、“Serenity”には、基本検査の“Serenity Basic”と、全染色体検査の“Serenity24”があります。

“Serenity Basic”

21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーに加えて、モノソミーX(ターナー症候群)などの性染色体異常についても検査することが可能なほか、希望者には性別も開示してもらえます。

“Serenity24”

ヒトの体細胞の核内に存在する1~22番の常染色体および性染色体の全染色体検査に加えて、希望者には性別判定を行うことも可能です。

一般的な新型出生前診断では21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーについてしか調べることができず、性別に関する検査結果も開示されませんが、“Serenity”は性別判定も含め、検査対象が幅広いのが特徴です。

採血費用、検体輸送費用、事前カウンセリング費用、検査説明費用などを含めて“Serenity Basic”が19万5,900円(税別)、“Serenity24”が27万1,400円(税別)のみで受けることができます。

それだけでなく、万が一陽性だった場合の羊水検査は無料となりますので、一般的な新型出生前診断と羊水検査を受ける場合に比べて費用を大幅に抑えることもできます。

※費用は2018年2月時点の費用です。費用は変更となる可能性もあるため、詳細は医療機関までお問い合わせください。

一般的な新型出生前診断が抱えている課題を解消し、多くの妊婦さんが受けることができる“Serenity Basic”および“Serenity24”は、東京の八重洲セムクリニックと、大阪の奥野病院で受けることができます。

妊娠や出産に対してご不安を抱えている妊婦さんは“Serenity Basic” “Serenity24”を検討してみてはいかがでしょうか?

産婦人科医 奥野幸彦 院長

医師監修:産婦人科医 奥野幸彦 院長

自己紹介

産婦人科医としてこれまで多くの相談を受ける中で、妊婦の方々がご出産までの約10ヶ間様々な不安な気持ちを抱えていることを知りました。そんな不安が少しでも減るように日々の治療・検査を通して妊婦の方々に向き合っていきます。

略歴

  • 1977年 大阪大学 医学部卒業
  • 1977年-1985年 大学病院・市民病院・救急病院などで勤務
  • 1986年 産婦人科・外科・内科を備える奥野病院を開院
  • 2000年 ジェンダークリニックを開院
  • 2017年 八重洲セムクリニックを開院

保有資格等

  • 日本医師会 認定産業医
  • 国際出生前診断学会会員
  • 日本産婦人科学会 認定医
  • 母体保護法指定医