年齢を気にせずに受けることができる出生前診断“Serenity”とは

出生前診断について調べていくと、年齢制限が設けられている検査があることや、母体年齢が上がるとダウン症の発症率も上昇するといった情報を目にすると思いますが、実際のところどうなのでしょうか?

今回は、母体の年齢別にダウン症発症率や陽性的中率と併せて、年齢制限を気にすることなく受けられる出生前診断“Serenity”についてご紹介します。

母体の年齢別・ダウン症発症率と出生前診断における陽性的中率

一般に、妊婦さんの年齢が高くなるほど、胎児になんらかの染色体異常が生じる確率が高くなると言われています。

胎児の染色体異常の中でも最も多いとされる21トリソミー(ダウン症候群)を例に、母体の年齢別にその確率をご紹介すると、このように一目瞭然です。

ダウン症発症の確率

  • 25歳 1/1,235(0.08%)
  • 30歳 1/952(0.105%)
  • 35歳 1/385(0.26%)
  • 40歳 1/106(0.94%)

近年、初婚の平均年齢が上がり、晩婚化が進んだことなどから高齢出産のケースが急増しており、それに伴って出生前診断を希望する妊婦さんが増えています。

出生前診断とは、妊娠中の胎児に染色体異常が見られるかどうかを調べる検査の総称で、代表的なものでは、

スクリーニング検査

  • 胎児超音波(エコー)検査
  • 母体血清マーカーテスト
  • 新型出生前診断(NIPT)

確定診断

  • 羊水検査
  • 絨毛検査

などがあります。確定診断は精度がほぼ100%と言われていますが、稀に流産や感染症などを引き起こすリスクがあります。

いきなり確定診断を受けとなるとそのリスクを冒さなければならないため、まずはスクリーニング検査を実施し、その結果を受けて最終的に確定診断を実施するかどうか判断するのが一般的な流れです。

スクリーニング検査の中でも、精度がきわめて高いことから、近年希望者が急増しているのが、アメリカ・シーケノム社が提供する「MaterniT21 plus」などの新型出生前診断です。

日本国内で行われている一般的な新型出生前診断について、母体の年齢別に陽性的中率を見てみると次のようになります。

21トリソミー(ダウン症候群)

  • 30歳 72.6%
  • 35歳 79.9%
  • 40歳 93.7%

18トリソミー(エドワーズ症候群)

  • 30歳 10.7%
  • 35歳 22.9%
  • 40歳 51.9%

13トリソミー(パトー症候群)

  • 30歳 4.4%
  • 35歳 10.4%
  • 40歳 30.0%

先ほどご紹介したダウン症発症率と同様に、母体の年齢が高くなるほど陽性的中率も上昇していることが分かります。

逆に、母体の年齢が若いほど陽性的中率が低くなることなどから、新型出生前診断を受けるには原則として35歳以上という年齢制限が設けられています。

年齢制限があるのが新型出生前診断のデメリット

シーケノム社の「MaterniT21 plus」などの一般的な新型出生前診断は、同じ血液によるスクリーニング検査である母体血清マーカーテストと比べて、感度や特異度が大幅に向上しており、21トリソミーの例で見てみると、

母体血清マーカーテスト 感度・特異度80~86%程度
一般的な新型出生前診断 感度・特異度99%

このような違いがあります。流産や感染症のリスクを伴わず、かつ精度が高い検査ですので、希望する妊婦さんが急増しているのはごく自然なことと言えます。

しかしながら、前述のように一般的な新型出生前診断には「出産予定日時点で妊婦さんが35歳以上」という年齢制限があり、希望するすべての妊婦さんが受けられるわけではないというデメリットがあります。

本来、検査を希望する妊婦さんはすべて受けることができるのが理想ですが、年齢によって受けられない妊婦さんも大勢いるのが現状です。

年齢制限を気にせず受けることができる出生前診断“Serenity”

東京の八重洲セムクリニックと、大阪の奥野病院で採用している新型出生前診断“Serenity”は、一般的な新型出生前診断のデメリットである「年齢制限」がありません。

妊娠10週以上で検査を希望する妊婦さんであれば、年齢を気にせず受けることができるのです。

2004年以降、すべての妊婦さんが出生前診断を受けることを求められていることから出生前診断先進国と呼ばれているイギリスにおいて、ラボとして正式に認可され採用されている、クーパーゲノミクス社の新型出生前診断です。

一般的な新型出生前診断と比べて、検査の精度自体も向上しています。21トリソミーを例にご紹介します。

感度:実際に染色体異常があり、検査で陽性と出る確率

99.14%(99.10%)

特異度:実際に染色体異常がなく、検査で陰性と出る確率

99.94%(99.90%)

陽性的中率:検査で陽性と出たうち実際に染色体異常があった確率

35歳:86.9%(79.9%)
40歳:96.1%(93.7%)

*カッコ内は一般的な新型出生前診断の感度・特異度・陽性的中率です。

このように、年齢を気にすることなく精度の高い出生前診断を受けることができる“Serenity”には、ほかにもさまざまなメリットがあります。

一般的な新型出生前診断を受ける場合は、年齢制限以外にも、

  • 妊娠10~18週の期間内
  • 夫婦のいずれかまたは両方に染色体異常が見られる
  • 過去に染色体異常の胎児を妊娠または出産した経験がある
  • 検査を受ける病院で分娩予定でなければならない
  • かかりつけ医が直接検査を予約し紹介状を用意する必要がある

という条件があり、当てはまらなければ受けることができません。一方、“Serenity”は妊娠10週以上であれば、年齢制限はもちろん、分娩指定やかかりつけ医からの予約、紹介状なども一切必要ありません。

そのため、幅広い妊婦さんが受けることができます。

また、一般的な新型出生前診断は、採血までに2~3回の診察が必要になることがほとんどです。実施している施設もそれほど多くないため、予約状況が大変混雑しており、採血に至るまで数週間~数ヶ月待たなければならないこともあります。

そのため、年齢はクリアしているのに妊娠18週までに間に合わなくなってしまう可能性もあります。

一方、“Serenity”は1回の来院で採血まで行うことができますので、何度も通う負担や費用を軽減することができます。

一般的な新型出生前診断の検査対象は21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3種類のみで、性別に関する検査結果も開示されません。

一方、 この検査方法では、基本検査の“Serenity Basic”と“Serenity24”の2種類の検査があります。

“Serenity Basic”は上記21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーに加えてモノソミーX(ターナー症候群)などの性染色体異常についても調べることができ、希望者には性別判定を行ってくれます。

“Serenity24”は21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーを含む1~22番の常染色体と性染色体の全染色体検査に加えて、希望者には性別判定を行ってくれます。

また、いずれの検査でも万が一陽性の検査結果が出た場合は羊水検査を無料で行うことができます。

通常、羊水検査を受けるには別途費用が必要になりますので、検査にかかる費用を大きく抑えることができます。

年齢を気にせずに高精度の検査を受けられるだけでなく、このようにさまざまなメリットがある“Serenity”、出生前診断を検討されている方は病院に問い合わせしてみてはいかがでしょうか?

産婦人科医 奥野幸彦 院長

医師監修:産婦人科医 奥野幸彦 院長

自己紹介

産婦人科医としてこれまで多くの相談を受ける中で、妊婦の方々がご出産までの約10ヶ間様々な不安な気持ちを抱えていることを知りました。そんな不安が少しでも減るように日々の治療・検査を通して妊婦の方々に向き合っていきます。

略歴

  • 1977年 大阪大学 医学部卒業
  • 1977年-1985年 大学病院・市民病院・救急病院などで勤務
  • 1986年 産婦人科・外科・内科を備える奥野病院を開院
  • 2000年 ジェンダークリニックを開院
  • 2017年 八重洲セムクリニックを開院

保有資格等

  • 日本医師会 認定産業医
  • 国際出生前診断学会会員
  • 日本産婦人科学会 認定医
  • 母体保護法指定医