35歳未満の妊婦さんが新型出生前診断を受ける方法とは?

新型出生前診断(NIPT)とは、出生前診断(出生前検査、出生前遺伝学的検査)の中でも新しい検査です。

日本産科婦人科学会(日産婦)の指針の元、2013年に臨床研究としてスタートしました。

指針では、基本的に35歳以上の妊婦など、染色体異常の可能性が高い人のみを検査対象に絞り、検査が安易に拡大することを抑えています。

しかし、35歳未満の妊婦さんでも新型出生前診断を受けることは可能です。

このコラムでは、新型出生前診断の受診を検討している35歳未満の妊婦さんに向けて、「日本産科婦人科学会の指針」や「35歳未満の妊婦さんが新型出生前診断を受ける方法」についてご説明します。

ぜひ、最後までご覧ください。

新型出生前診断とは

新型出生前診断とは、母体血を採血し、血漿中の胎児由来のDNAの量に異常がないか判断する検査です。

検査項目は21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトー症候群)の3種類の染色体異常です。

これらの疾患は、合併症が予想される先天性疾患です。

妊娠初期(妊娠10週目)から検査が可能です。

検査費用の相場は20万円で自費診療になります。

 

従来の検査と異なる新型出生前診断の特徴

検査の特徴は大きく分けて3つあります。

1つ目は、検査精度が99.9%と非常に高いことです。

従来の非確定診断(染色体異常の可能性を検出する診断)の精度は、母体血清マーカー検査(クアトロテスト)が80%、コンバインド検査(超音波検査と母体血清マーカー検査の組み合わせ検査)が83%と精度が低いです。

また、検査結果が確率ではなく「陰性」または「陽性」で表示されることも特徴の1つです。

2つ目は、採血のみで検査ができるためリスクがほとんどないことです。

従来の確定診断(ほぼ100%で染色体異常を確認する診断)の羊水検査や絨毛検査は、お腹に針をさし、羊水や将来胎盤になる絨毛に含まれている、胎児細胞を検査します。

そのため、流産(0.3%〜1%)、破水、出血、感染症などのリスクがあります。

3つ目は、検査の実施時期が妊娠10週目からと早いことです。

従来の検査は、羊水検査が15週〜16週以降、絨毛検査が11週目〜14週目、母体血清マーカー検査が15週〜18週、コンバインド検査が11週〜13週と検査時期が遅いものもありました。

日本産科婦人科学会の指針

日本産科婦人科学会は、新型出生前診断が非常に簡便に検査ができるため、気軽に妊婦さんが検査を受けることで以下の3点の懸念点を示しています。

  • 妊婦さんが十分な認識を持たないまま検査を受けること
  • 検査結果の意義を誤解する可能性があること
  • マススクリーニング検査としての利用

実際に、陽性の結果を受け取った後、「自分の愛しい我が子を産みたい」「育てることが難しいので中絶を選ぶしかない」と矛盾した気持ちの中で悩み混乱する妊婦さんもいます。

検査を受ける条件

指針では、検査を受けるために以下3つの条件があります。

  • 基準を満たした医療機関でのみ検査を実施すること
  • 遺伝カウンセリングを検査前後に2回受診すること
  • 染色体異常の可能性が高い妊婦さんのみ対象にすること

「染色体異常の可能性が高い妊婦」とは、他の出生前診断で染色体異常の可能性を指摘されていたり、高齢妊娠の妊婦である「35歳以上の妊婦」のことです。

医療機関によっては、検査を受ける妊婦さん本人だけでなく、夫婦揃って遺伝カウンセリングを受診したり、紹介状を持参する必要があるため、検査を受けるまでに時間がかかってしまうこともあります。

また、指針では「新型出生前診断について、医師が妊婦に積極的に知らせる必要はない」とあり、妊婦が希望しない限り、妊婦健診で新型出生前診断については説明されず、検査の存在を知らないまま出産を迎えてしまうという現状もあります。

詳しい検査の条件に関しては以前コラムで説明していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

∟リンク(新型出生前診断 条件)←まだ上がっていないので、上がり次第追加します。

35歳未満の方が新型出生前診断を受ける方法

指針上新型出生前診断は、35歳以上の妊婦さんしか検査を受けることができないことがわかりました。

35歳未満の妊婦さんは、侵襲的なリスクが存在する羊水検査か、精度が低い母体血清マーカー検査など他の検査を受けなければなりません。

このような状況を鑑みて、日本産科婦人科学会の認可外の施設、いわゆる「無認可施設」が検査を実施し始めました。

無認可施設では、35歳未満の方でも新型出生前診断を受けることができます。

指針の適応を受けない分、年齢制限なしで検査が受けられるなどのメリットもありますが、もちろんデメリットも存在します。

この章では、無認可施設とはどのような特徴があるのかご説明します。

無認可施設の特徴

無認可施設の特徴は大きく分けて3つあります。

  • 検査可能な項目が多い
  • 検査精度が高い
  • 年齢制限や、来院回数などの条件がない
  • 無認可施設の多くは、採血した血液を海外の検査機関に輸送して検査を行っています。

    日本産科婦人科学会の指針では、検査項目を3つの染色体異常に限定していますが、海外の検査機関では、性染色体を含む全染色体や、微小欠失症候群(染色体のごく一部がかけてしまう疾患)、性別も検査項目です。

    また、日本産科婦人科学会が設けている条件はないので、1度の来院でカウンセリングと、採血が終了します。

    無認可施設の気をつけるべき点

    日本産科婦人科学会の条件が適応されないので、注意すべき点もあります。

    認可施設の要件には「産婦人科医と小児科医の常勤」がありますが、無認可施設では、専門外の医師(美容外科クリニックや皮膚科など)が採血を行う可能性があります

    また、1回で検査ができるということは、遺伝カウンセリングが認定施設と比べて少なく、サポートが薄い可能性があります。

    産婦人科医が採血を行ってくれる無認可施設を探したり、自身で情報を集めて、染色体異常や出生前診断について、十分に理解しておくことが大切です。

    東京と大阪であれば、「出生前診断の実績が6,000件以上」「産婦人科医が採血を行う」奥野病院と八重洲セムクリニックがおすすめです。

    もっと詳しく知りたい方や、予約をしたい方はこちらのHPからご確認ください。

    35歳未満でも新型出生前診断を受けることができる

    35歳未満でも、無認可施設であれば新型出生前診断を受けることはできます。

    出生前診断に関しては「安易な中絶に繋がる」「命の選別に繋がる」などの意見があります

    しかし、出生前診断を受けるかどうか決めるのは赤ちゃんのご両親である、ご夫婦のお二人です。

    赤ちゃんの将来のことを慎重に考えた上で、検査を受けると決断したのであれば、誰もその決断に介入するべきではないと考えます。

    一方で、受けないと決めることも、もちろん1つの選択肢です。

    もし、検査を受けるかどうか決断する際に不安になることがあれば、遺伝カウンセリングを受診したり、産婦人科医に相談しましょう。

    その上で、検査を希望する場合は早めに電話予約をしましょう。

    産婦人科医 奥野幸彦 院長

    医師監修:産婦人科医 奥野幸彦 院長

    自己紹介

    産婦人科医としてこれまで多くの相談を受ける中で、妊婦の方々がご出産までの約10ヶ間様々な不安な気持ちを抱えていることを知りました。そんな不安が少しでも減るように日々の治療・検査を通して妊婦の方々に向き合っていきます。

    略歴

    • 1977年 大阪大学 医学部卒業
    • 1977年-1985年 大学病院・市民病院・救急病院などで勤務
    • 1986年 産婦人科・外科・内科を備える奥野病院を開院
    • 2000年 ジェンダークリニックを開院
    • 2017年 八重洲セムクリニックを開院

    保有資格等

    • 日本医師会 認定産業医
    • 国際出生前診断学会会員
    • 日本産婦人科学会 認定医
    • 母体保護法指定医