NIPTの年齢が35歳以上の理由と、年齢制限がないNIPT“Serenity”について

  NIPTを希望する妊婦さんが増えていますが、出産予定日時点で35歳以上でなければならないという年齢制限によって、希望しても受けられない妊婦さんも少なくありません。今回は、NIPTに年齢制限が設けられている理由を解説すると共に、年齢を気にせずに受けられるNIPTである“Serenity”をご紹介します。  

NIPTに35歳以上という年齢制限が設けられているのはなぜ?

妊娠中の胎児の21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーについて調べることができるNIPTは、精度の高いスクリーニング検査として話題を呼び、近年では検査を希望する妊婦さんが急増しています。   NIPTについて調べていくと「出産予定日時点で35歳以上」という妊婦さん側の年齢制限を目にすることがあると思います(一部、凍結胚による妊娠の場合は採卵時の年齢が34歳2ヶ月以上としています)。   どうしてこのような年齢制限が設けられているのでしょうか?そこには、NIPTの検査の陽性的中率が、妊婦さんの年齢に依存するという理由がありました。   例として、NIPTを受ける妊婦さんの年齢が30歳、35歳、40歳の時の21トリソミーの確率と、陽性的中率を見てみましょう。  

妊婦さんの年齢が30歳の時

21トリソミーの確率 1/952 NIPTによる陽性的中率 61.3%  

妊婦さんの年齢が35歳の時

21トリソミーの確率 1/385 NIPTによる陽性的中率 79.9%  

妊婦さんの年齢が40歳の時

21トリソミーの確率 1/106 NIPTによる陽性的中率 93.7%   このように、妊婦さんの年齢が上がるとともに、21トリソミーの確率およびNIPTの精度が高くなることが分かります。   逆を言えば、妊婦さんの年齢が若い時にはNIPTの陽性的中率が低く、それはつまり「偽陽性(本来陰性なのに検査結果で陽性と出てしまうこと)」の可能性が高くなることを意味しています。   NIPTのこうした特性を活かし、より精度の高い検査を実施するため、NIPTには年齢制限が設けられているのです。   なお、参考までに陰性的中率もご紹介すると、妊婦さんの年齢が30歳、35歳、40歳いずれでも99.9%という高い精度を誇りますので、NIPTは陰性が出れば、ほぼ安心できる検査であると言えます。  

年齢制限がないNIPT“Serenity”とは

現在、日本で採用されている一般的なNIPTにおいては「出産予定日時点で35歳以上」という年齢制限が設けられていますが、その一方で、年齢制限がないNIPTがあるのをご存知でしょうか?   “Serenity”と呼ばれるNIPTで、妊娠10週以上で妊娠や出産に不安を持つ妊婦さんであれば、年齢制限なく検査を受けることができます。   2004年以降、年齢を問わず、すべての妊婦さんが出生前診断を受けるように求められている出生前診断先進国イギリスにおいて、正式にラボとして認可され採用されている、クーパーゲノミクス社のNITPです。   NIPTの精度は妊婦さんの年齢によって変わってくるとお伝えしましたが、現在、日本で行われている一般的なNIPTと、“Serenity”の「妊婦さんの年齢別陽性的中率」を比較してみると次のようになります。  

妊婦さんの年齢が30歳の時

“Serenity”の陽性的中率 72.6% その他のNIPTの陽性的中率 61.3%  

妊婦さんの年齢が35歳の時

“Serenity”の陽性的中率 86.9% その他のNIPTの陽性的中率 79.9%  

妊婦さんの年齢が40歳の時

“Serenity”の陽性的中率 96.1% その他のNIPTの陽性的中率 93.7%   このように、妊婦さんの年齢別陽性的中率においても、その他のNIPTより高い精度であることが分かります。   なお、現在“Serenity”を採用しているのは、日本では八重洲セムクリニック(東京)と奥野病院(大阪)のみとなります。  

NIPTは年齢を問わず受けたい妊婦さんが受けるべき検査

今回は、NIPTに年齢制限が設けられている理由を解説するとともに、年齢制限を気にせず受けることができるNIPT“Serenity”をご紹介してきました。   NIPTは母体や胎児への身体的負担が少ないスクリーニング検査で、出生前に胎児の21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーといった染色体異常について調べることができる大切な検査です。   陰性であれば、その高い的中率から安心することができますし、万が一、陽性であっても“Serenity”においては羊水検査を無料で受けることができます。   そのうえ、出産までの時間を有効に活用することで、胎児に最適な分娩方法を選択したり、出生後、迅速に治療を開始するための準備ができたり、両親としての心構えや、障害への理解を深める時間に充てることもできます。   こうしたことからも、NIPTは年齢を問わず、希望するすべての妊婦さんが受けるべき検査と言えます。   妊娠や出産に不安を抱えているものの、NIPTの年齢制限にお悩みの妊婦さん、年齢制限は満たしているけれど“Serenity”が気になるという妊婦さんは、ぜひとも、この検査を検討してみてはいかがでしょうか?
産婦人科医 奥野幸彦 院長

医師監修:産婦人科医 奥野幸彦 院長

自己紹介

産婦人科医としてこれまで多くの相談を受ける中で、妊婦の方々がご出産までの約10ヶ間様々な不安な気持ちを抱えていることを知りました。そんな不安が少しでも減るように日々の治療・検査を通して妊婦の方々に向き合っていきます。

略歴

  • 1977年 大阪大学 医学部卒業
  • 1977年-1985年 大学病院・市民病院・救急病院などで勤務
  • 1986年 産婦人科・外科・内科を備える奥野病院を開院
  • 2000年 ジェンダークリニックを開院
  • 2017年 八重洲セムクリニックを開院

保有資格等

  • 日本医師会 認定産業医
  • 国際出生前診断学会会員
  • 日本産婦人科学会 認定医
  • 母体保護法指定医