NIPT(新型出生前診断)の一般診療化で何が変わる?受ける前に知っておきたいこととは?

現在、日本で採用されている一般的なNIPT(新型出生前診断)は、これまで臨床研究として一部の病院などの施設でしか実施されてきませんでしたが、このたび一般診療となりました。NIPTの一般診療化で何が変わるのか?検査を受ける前に知っておきたいことと併せて解説します。

NIPTの一般診療化で何が変わる?

NIPT(新型出生前診断)は、母体から採血するだけで胎児の21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの疑いについて調べることができる検査です。

母体や胎児への負担が少ないだけでなく、従来の母体血清マーカーテストなど血液による出生前診断と比べて検査の精度がきわめて高いことから、検査を希望する妊婦さんが増えています。

しかしながら現在、日本で採用されている一般的なNIPTは、これまで臨床研究として実施されてきたため、ごく一部の限られた病院などの施設でしか受けることができませんでした。

そのため、検査を希望する妊婦さんに対して施設が足りず「受けたくても受けられない」妊婦さんが多いことが課題でした。

そんな中、一般診療化されたことで、今後NIPTを実施する病院などの施設が増えることが予想され「受けたくても受けられなかった」妊婦さんの減少が期待できます。

一般診療となったNIPTを受ける前に知っておきたいこと

新型出生診断が一般診療になったことで、今後NIPTを実施する病院などの施設が徐々に増えることは、ほぼ確実と言えます。

NIPTを受けられる妊婦さんが増えることは大変喜ばしいことですが、一般診療イコール「誰でも容易に受けられる」という訳ではありません。

一般診療として、NIPTを受ける前に知っておきたいことを解説します。

1 保険診療の対象ではない

現在日本で採用されている一般的なNIPTは、検査代金、その他診察費等を合わせると高額になる医療機関がほとんどです。

一般診療化されても保険診療の対象外に変わりはありませんので、妊婦さんの経済的負担も変わることはありません。

2 検査を受けるための条件は変わらない

現在、日本で採用されている一般的なNIPTは次のような条件が設けられていますが、一般診療化されてもこうした条件は変わらないと考えられます。

※妊娠10~18週の期間内

※出産予定日時点で妊婦さんが35歳以上

※夫婦のいずれかまたは両方になんらかの染色体異常が見られる

※過去に染色体異常の胎児を妊娠または出産した経験がある

また、病院側が独自に定めているルールもあります。

※NIPTを受ける病院で分娩予定でなければならない

※かかりつけ医からの直接の検査予約および紹介状が必要

一般診療化によってNIPTを実施する施設が増えるほど、病院独自のルールが増えてくることも考えられます。

また、一般診療化されたとはいえ、日本産科婦人科学会倫理委員会の久具宏司委員が「慎重に増やしていきたい」と述べるなど、NIPTを実施する病院などの施設が急増することは考えにくいと言えます。

そのため新型出生前診断が一般診療化されても、しばらくはこれまでのように「受けたくても受けられない」妊婦さんが多数いる現状が続くかもしれないことは、知っておいた方が良いでしょう。

一般診療化されたNIPTの課題を解消できる“Serenity”

新型出生前診断が一般診療化によって、より多くの妊婦さんがNIPTを受けることができれば大変喜ばしいことです。

しかしながら、現実的には一般診療化によってNIPTを実施する病院などの施設が急増する可能性は低いため「希望する妊婦さんが受けられない」という課題は残りそうです。

今回、最後にご紹介するのは、そうした一般的なNIPTの課題を解消できるNIPT、“Serenity”です。

“Serenity”は、出生前診断先進国イギリスにおいて、ラボとして正式に認可され、採用されているクーパーゲノミクス社のNIPTです。

現在、日本で採用されている一般的なNIPTは、

※妊娠10~18週の期間内

※出産予定日時点で妊婦さんが35歳以上

※夫婦のいずれかまたは両方になんらかの染色体異常が見られる

※過去に染色体異常の胎児を妊娠または出産した経験がある

といった条件に当てはまらなければ受けられないケースがほとんどで、一般診療化されてもこの条件は変わらないとお伝えしました。

一方“Serenity”を受ける条件は「妊娠10週以上」のみ、つまり妊娠10週以上で妊娠や出産に不安がある妊婦さんであれば、年齢制限などを気にせず受けることができるのです。

そのうえ、病院側が独自に設定している、

※NIPTを受ける病院で分娩予定でなければならない

※かかりつけ医からの直接の検査予約および紹介状が必要

といったルールもありません。

妊婦さんが直接、予約を取り検査を受けることができますので、より幅広い妊婦さんがNIPTを受ける機会を持てるのです。

そのため“Serenity”は一般診療化されてもなお残るNIPTの課題を解消できると言えるでしょう。

現在、日本で“Serenity”を採用しているのは東京の八重洲セムクリニックと、大阪の奥野病院の2施設です。

NIPTを検討している妊婦さん、“Serenity”を受けたい妊婦さんはぜひ一度、病院に問い合わせてみてはいかがでしょうか?

産婦人科医 奥野幸彦 院長

医師監修:産婦人科医 奥野幸彦 院長

自己紹介

産婦人科医としてこれまで多くの相談を受ける中で、妊婦の方々がご出産までの約10ヶ間様々な不安な気持ちを抱えていることを知りました。そんな不安が少しでも減るように日々の治療・検査を通して妊婦の方々に向き合っていきます。

略歴

  • 1977年 大阪大学 医学部卒業
  • 1977年-1985年 大学病院・市民病院・救急病院などで勤務
  • 1986年 産婦人科・外科・内科を備える奥野病院を開院
  • 2000年 ジェンダークリニックを開院
  • 2017年 八重洲セムクリニックを開院

保有資格等

  • 日本医師会 認定産業医
  • 国際出生前診断学会会員
  • 日本産婦人科学会 認定医
  • 母体保護法指定医