採血の予約が混雑しているNIPT(新型出生前診断)、1回の来院だけで採血まで可能な“Serenity”とは?

NIPTを希望する妊婦さんが増えていますが、採血の予約が常に混雑しており、なかなか予約が取れないのが現状です。今回は、NIPTの予約が混雑してしまう理由を解説するとともに、1回の来院で採血まで可能なNIPT“Serenity”をご紹介します。

NIPTの採血でどんなことが分かる?検査結果の受け止め方は?

NIPTは妊婦さんから採血し、その血液成分を分析することで、胎児の染色体疾患のおよそ7割を占めると言われている21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトー症候群)の疑いについて調べることができます。

現在、日本で採用されている一般的なNIPTは、2013年より提供が開始されたもので、2017年3月までの4年間に4万8,000人を超える妊婦さんが検査を受けたと言われています。

従来行われてきた母体血清マーカーテストなど、採血による出生前診断と比較して、感度や特異度からみる検査精度が大幅に向上していることから「新型」と名付けられ、区別されています。

なお、検査結果は「陽性」「陰性」で通知されますが、スクリーニング検査のため、その検査結果は確定ではありません。

21トリソミーの陽性的中率を見てみると、35歳で79.9%、40歳で93.7%と偽陽性の可能性があるため、「陽性」の検査結果が出た場合は羊水検査など確定診断を受けることになります。

しかしながら、陰性的中率を見てみると99.9%と非常に高く、「陰性」の検査結果が出た場合はほぼ安心できる検査でもあります。

そのため、1/200~1/300の確率で流産などを引き起こすリスクがある羊水検査を避けることができるスクリーニング検査として注目を浴び、検査を希望する妊婦さんが年々増えているのです。

NIPTの採血の予約が常に混雑している理由とは?

NIPTは、採血という検査手法のため、母体や胎児への身体的負担がほとんどないにも関わらず、高精度の検査結果をもたらしてくれますので、希望する妊婦さんが増えているのはごく自然な流れと言えます。

しかしながら、現在日本で採用されている一般的なNIPTは採血の予約が常に混雑しており、なかなか予約が取りにくい状況となっています。

なぜ採血の予約が混雑しているのでしょうか?考えられる理由は次のようなことです。

※混雑理由1「NIPTを実施している病院などの施設が少ない」

2016年9月時点で、関東では16施設、関西でも15施設と、そもそもNIPTを実施している病院などの施設が少なく、需要に対して供給不足になっています。

2018年3月にNIPTの一般診療化が決定しましたので、今後はNIPTを採用する病院などの施設も増えてくることが予想されます。

しかしながら、急増することは考えにくく、予約の混雑はしばらくの間、解消されないだろうという見方が強くなっています。

※混雑理由2「採血までに2~3回の診察が必要なことが多い」

予約が混雑しているもう一つの理由として、採血までに2~3回の診察が必要になるケースが多いことが挙げられます。

数週間~数ヶ月待つことも珍しくなく、採血を待つ間に「妊娠10~18週の期間内」を過ぎてしまい、結局NIPTを受けられない妊婦さんもいるでしょう。

このように、NIPTは採血に至るまでのハードルが高く、希望する妊婦さんすべてが受けられる訳ではありません。

1回の来院で採血まで可能なNIPT“Serenity”とは

本来、NIPTを希望する妊婦さんはすべて受けることができる環境であることが望ましいと考えられますが、上述した理由から採血の予約が混雑しており、受けられない妊婦さんも非常に多くなっています。

ところが、日本には「1回の来院のみ」で採血まで可能な“Serenity”というNIPTがあるのをご存知でしょうか?

出生前診断先進国イギリスにおいて、ラボとして正式に認可され採用されている、クーパーゲノミクス社のNIPTです。

現在、日本で採用されている“Serenity”以外のNIPTは予約が混雑しているうえ、

妊娠10~18週の期間内

出産予定日時点で妊婦さんが35歳以上

夫婦のいずれかまたは両方になんらかの染色体異常が見られる

過去に染色体異常の胎児を妊娠または出産したことがある

といった厳しい条件に当てはまらなければならないことに加えて、病院側が独自に設けている、

NIPTを受ける病院で分娩予定でなければならない

かかりつけ医からの直接の検査予約および紹介状が必要

といったルールをクリアしなければなりません。

ところが“Serenity”は、妊娠10週以上で不安を抱えている妊婦さんであれば、年齢制限やその他の厳しい条件を気にせずに受けることができます。

分娩指定もなく、かかりつけ医からの直接の検査予約や紹介状も必要ありませんので、妊婦さんが自ら予約し検査を受けることができます。

現在、日本で“Serenity”を採用しているのは、東京の八重洲セムクリニックと、大阪の奥野病院の2施設です。

採血予約が取れずにお悩みの妊婦さんはもちろん、妊娠や出産に不安を抱えている妊婦さんで、“Serenity”について、より詳しい情報をお求めの妊婦さんはぜひ一度、病院に問い合わせしてみてはいかがでしょうか?

産婦人科医 奥野幸彦 院長

医師監修:産婦人科医 奥野幸彦 院長

自己紹介

産婦人科医としてこれまで多くの相談を受ける中で、妊婦の方々がご出産までの約10ヶ間様々な不安な気持ちを抱えていることを知りました。そんな不安が少しでも減るように日々の治療・検査を通して妊婦の方々に向き合っていきます。

略歴

  • 1977年 大阪大学 医学部卒業
  • 1977年-1985年 大学病院・市民病院・救急病院などで勤務
  • 1986年 産婦人科・外科・内科を備える奥野病院を開院
  • 2000年 ジェンダークリニックを開院
  • 2017年 八重洲セムクリニックを開院

保有資格等

  • 日本医師会 認定産業医
  • 国際出生前診断学会会員
  • 日本産婦人科学会 認定医
  • 母体保護法指定医