NIPT(新型出生前診断)の検査を受けるための仕組みや費用について解説

「NIPTという検査は知っているが、仕組みなどの詳しいことは分からない」という妊婦さんのために、NIPTの基本的な仕組みや費用、検査を受けるための仕組みについて解説するとともに、話題のNIPT“Serenity”をご紹介します。

NIPTの基本的な仕組みについて

まずは、NIPTの基本的な仕組みを見てみましょう。

母体から採血する検査手法であることは多くの方がご存知のことと思いますが、NIPTは母体から採取した血液を分析することで、21番、18番、13番の染色体異常の疑いについて調べることができます。

ヒトには22対の常染色体と1対の性染色体あがり、正常な染色体は2本1対になっています。染色体が1本多く3本になった状態をトリソミー、1本少ない状態をモノソミーと言います。

NIPTではそのうち、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトー症候群)の3種類の染色体異常の疑いについて調べることができる仕組みになっています。

母体から採血するだけなので、身体的負担がほとんどないだけでなく、従来行われてきた血液による出生前診断と比べても、感度や特異度からみる検査精度がきわめて高いことから、検査を希望する妊婦さんが増えています。

なお、NIPTはスクリーニング検査のため、検査結果は確定ではありません。万が一「陽性」の検査結果が出た場合は、羊水検査など確定診断を受けることになります。

NIPTの費用や検査を受けるための仕組みについて

続いて、NIPTの費用について見ていきましょう。

保険適用外のため費用は全額自己負担となります。その他の診察費用も含めると高額になるケースが多く、また、万が一「陽性」だった場合の羊水検査については、別途費用が必要になる病院や施設も少なくありません。羊水検査も保険適用外のため、全額自己負担になるケースがほとんどです。

次に、検査を受けるための仕組みについて見ていきましょう。

そもそも、NIPTを受けるには、

妊娠10~18週の期間内

出産予定日時点で妊婦さんが35歳以上

夫婦のいずれかまたは両方になんらかの染色体異常が見られる

過去に染色体異常の胎児を妊娠または出産したことがある

といった条件に当てはまらなければ検査を受けることができません。

そのうえ、

NIPTを受ける病院で分娩予定でなければならない

かかりつけ医からの直接の検査予約および紹介状が必要

といった、病院側が独自に設けたルールをクリアしなければ受けられない場合が多く、「検査を受けたくても受けられない」妊婦さんが増えているという課題があります。

話題のNIPT“Serenity”とは

現在、日本で採用されている一般的なNIPTには厳しい条件やルールがあり、受けたくても受けられない妊婦さんが増えている課題があるとお伝えしました。

ところが、そんなNIPTの課題を見事に解消できる話題の“Serenity”というNIPTがあるのをご存知でしょうか?

出生前診断先進国イギリスにおいて、ラボとして正式に認可され採用されている、クーパーゲノミクス社のNIPTです。

以下に“Serenity”の仕組みをまとめています。

“Serenity”の検査内容

一般的なNIPTと同様に、母体から採血することで胎児になんらかの染色体異常の疑いがないかどうか調べることができます。特筆すべきはその検査対象の広さです。

“Serenity”には基本検査の“Serenity Basic”と、全染色体検査の“Serenity24”があり、それぞれ検査対象は次のようになります。

“Serenity Basic”

21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーに加えてモノソミーX(ターナー症候群)など性染色体異常について調べることができるほか、希望者には性別判定も開示してくれます。

“Serenity24”

1~22番の常染色体すべてとモノソミーX(ターナー症候群)など性染色体異常に加えて、希望者には性別判定も開示してくれます。

現在、日本で行われている“Serenity”以外のNIPTでは、全染色体検査や性別判定の開示は行っていませんので、“Serenity”がいかに対象の広い検査かがお分かりいただけるのではないでしょうか。

“Serenity”の費用

採血費用、検体輸送費用、事前カウンセリング費用、検査説明費用を含めて基本検査の“Serenity Basic”が19万5,900円(税別)、全染色体検査の“Serenity24”が27万1,400円(税別)で受けることができます。

そのうえ、万が一「陽性」の検査結果だった場合の羊水検査も、無料で受けることができますので、検査全体にかかる費用を大幅に抑えることができます(※大阪:奥野病院のみの対応となります)。

※費用は2018年5月時点の費用です。費用は変更となる可能性もあるため、詳細は医療機関までお問い合わせください。

“Serenity”を受けるには

“Serenity”以外のNIPTには検査を受けるための厳しい条件やルールがありましたが、“Serenity”は「妊娠10週以上」で不安を抱えている妊婦さんであれば、年齢制限やその他の厳しい条件を気にすることなく受けることができます。

そのうえ、分娩指定もなく、かかりつけ医からの直接の検査予約や紹介状も必要ありませんので、妊婦さん自ら予約し、検査を受けることが可能です。

現在、日本で“Serenity”を採用しているのは、東京の八重洲セムクリニックと、大阪の奥野病院のみです。

妊娠や出産に対して不安を抱えている妊婦さんは“Serenity Basic”や“Serenity24”を検討してみてはいかがでしょうか?

産婦人科医 奥野幸彦 院長

医師監修:産婦人科医 奥野幸彦 院長

自己紹介

産婦人科医としてこれまで多くの相談を受ける中で、妊婦の方々がご出産までの約10ヶ間様々な不安な気持ちを抱えていることを知りました。そんな不安が少しでも減るように日々の治療・検査を通して妊婦の方々に向き合っていきます。

略歴

  • 1977年 大阪大学 医学部卒業
  • 1977年-1985年 大学病院・市民病院・救急病院などで勤務
  • 1986年 産婦人科・外科・内科を備える奥野病院を開院
  • 2000年 ジェンダークリニックを開院
  • 2017年 八重洲セムクリニックを開院

保有資格等

  • 日本医師会 認定産業医
  • 国際出生前診断学会会員
  • 日本産婦人科学会 認定医
  • 母体保護法指定医