どんな検査で、どんなことがわかる?NIPT(新型出生前診断)のメカニズムをご紹介

NIPT(新型出生前診断)を受けると、どんなことがわかるのでしょうか?今回は、検査の内容や仕組みなど、メカニズムに関する情報をわかりやすくお伝えしていきます。どんな仕組みで赤ちゃんの異常がわかるのか気になる方は参考にしてみてください。

NIPT(新型出生前診断)の基本的なメカニズムとは?

NIPT(新型出生前診断)では、妊婦さんから血液を採取することで赤ちゃんの染色体異常について調べていきます。妊婦さんの血液には、赤ちゃんに由来する微量のDNA断片が浮遊しているため、このような手法で検査を行うことができるのです。

このメカニズムについて、詳しくひも解いていくには、NIPT(新型出生前診断)の原理とされている「MPS(massively parallel genomic sequence)法」がキーワードとなります。

ヒトの体内では、組織において細胞が死んだり、崩壊したりしたとき、血液中に遺伝子が放出されます。この遺伝子は酵素によって分解されますが、その過程において長さの異なる遺伝子断片となって血液中を浮遊します。

10mlの血液には、1,000万ほどの数の遺伝子断片が含まれると考えられています。妊婦さんから血液を採取した場合には、母体と胎児由来のDNA断片がどちらも含まれた状態となっていますが、そのうち約1割は胎児由来であるとされています。

このメカニズムを活用していることがNIPT(新型出生前診断)の特徴です。

MPS法では、遺伝子の断片を回収して塩基配列を分析します。ヒトが持つ染色体は全部で23対ありますが、どの染色体に由来したDNA断片であるか調べ、染色体ごとに回収した断片の数をカウントしていきます。

異常のある染色体では、正常な場合と比較してDNA断片の数が少し多くなるというメカニズムの存在から、NIPT(新型出生前診断)を実現することが可能となります。

例えば、ダウン症候群では21番の染色体が1本増えた状態となりますが、この染色体に由来するDNA断片がわずかに多いと判断されれば、異常の予測につながります。染色体の数に関する異常の可能性については、このようなメカニズムから調べることができるのです。

採血だけで染色体異常について検査できるというと不思議に感じた方もいるかもしれませんが、メカニズムや仕組みを知ると納得できるでしょう。

NIPT(新型出生前診断)と従来の出生前診断の違いとは?

従来から用いられている出生前診断とNIPT(新型出生前診断)では、何が大きく異なるのでしょうか。出生前診断は、その検査で診断を確定できるかどうかによって、「確定診断」と「スクリーニング検査」に大別されています。

確定診断としてよく知られている羊水検査では、母体のお腹に針を刺し、羊水の一部を採取します。羊水検査では、確かな診断ができる点がメリットですが、針を刺すので母体への負担は大きなものとなります。

さらに、場合によっては流産を引き起こすこともあり、リスクを伴う検査である点がデメリットです。

一方、スクリーニング検査の強みは負担が少ないことです。母体血清マーカーテストや超音波検査などがありますが、採血やエコーという手段で実施できるため、母体や胎児への負担が少ないのです。ただ、確定診断よりも検査精度が劣ってしまうことが欠点となります。

NIPT(新型出生前診断)は、スクリーニング検査でありながら、検査精度が比較的高いという特徴があります。採血だけで実施できる簡便な手法ですが、ダウン症候群の陽性的中率は30歳で61.3%、35歳で79.9%、40歳で93.7%となっています。

陽性的中率は年齢によっても違いがあるため、陽性の結果だった場合は確定診断を受けることとなります。しかし、流産などのリスクを伴う確定診断を受けなくて済むことは利点ととらえることもできます。

陰性的中率は99. 99%であり、検査の対象となる染色体について「異常がない」ということはほぼ確実にわかります。

NIPT(新型出生前診断)には、より多くの結果がわかる検査がある

一般的なNIPT(新型出生前診断)で調べる染色体異常は、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーの3つです。

ヒトの染色体には1〜22番までの常染色体、1組の性染色体があります。このうち、13、18、21番について染色体が1本増える「トリソミー」という異常を調べることになります。

異常の発生率が高い染色体はこの3種類ですが、実際には他の常染色体や性染色体に異常が生じる可能性もあります。したがって、「検査で調べない染色体に異常はないだろうか?」と不安に感じられる方もいます。

より内容が充実しているNIPT(新型出生前診断)もあるため、不安をお持ちの方は事前に調べておくと良いでしょう。

東京の八重洲セムクリニック、大阪の奥野病院が採用しているNIPT「ベリファイ」では、調べる染色体の種類が多く、より充実した内容となっています。基本的なメカニズムは一般的なNIPT(新型出生前診断)と同じで、採血による簡便な検査となります。

「ベリファイ」では13、18、21番の染色体に加えてモノソミーX(ターナー症候群)など性染色体の異常についても検査可能です。「ベリファイプラス」では1~22番の常染色体に加えて性染色体異常について調べることができます。

さらにオプションとして1p36欠失症候群、4p欠失症候群、5p欠失症候群、15q11.2欠失症候群、22q11.2欠失症候群の微小欠失検査も可能です。いずれの検査でも、赤ちゃんの性別判定の結果が開示されるため、こちらも利点の一つといえます。

一般的に、NIPT(新型出生前診断)には年齢が35歳以上という制限がありますが、ベリファイは「採血時に妊娠10週目以降の妊婦さん」であれば対象となります。紹介状なども不要であり、電話で採血の予約をして、東京か大阪のクリニックに足を運びます。

NIPT(新型出生前診断)は、母体の血液から赤ちゃんのDNA断片を調べることができるメカニズムを活用した新しい検査法です。妊娠や出産にあたりご不安を抱えている妊婦さんは、東京の八重洲セムクリニックまたは大阪の奥野病院のNIPT(新型出生前診断)について調べてみてはいかがでしょうか?

産婦人科医 奥野幸彦 院長

医師監修:産婦人科医 奥野幸彦 院長

自己紹介

産婦人科医としてこれまで多くの相談を受ける中で、妊婦の方々がご出産までの約10ヶ間様々な不安な気持ちを抱えていることを知りました。そんな不安が少しでも減るように日々の治療・検査を通して妊婦の方々に向き合っていきます。

略歴

  • 1977年 大阪大学 医学部卒業
  • 1977年-1985年 大学病院・市民病院・救急病院などで勤務
  • 1986年 産婦人科・外科・内科を備える奥野病院を開院
  • 2000年 ジェンダークリニックを開院
  • 2017年 八重洲セムクリニックを開院

保有資格等

  • 日本医師会 認定産業医
  • 国際出生前診断学会会員
  • 日本産婦人科学会 認定医
  • 母体保護法指定医