NIPT(新型出生前診断)とマーカーテストは何が違う?迷ったらどちらを選ぶべき?

赤ちゃんの染色体異常について検査しておきたいと考える妊婦さんの中には、簡単な手法で実施できるNIPT(新型出生前診断)や母体血清マーカーテストにご興味をお持ちの方も多いでしょう。

今回はこの2つの検査の違いや、迷ったときにどちらを選ぶべきなのか、情報をお伝えしていきます。

そもそもNIPT(新型出生前診断)とはどういうもの?

NIPT(新型出生前診断)とは、妊婦さんの血液を採取して、赤ちゃんに生じる特定の染色体異常を調べる検査のことです。日本国内では2013年4月から2017年9月までの期間で、約5万1,000組のご夫婦がNIPT(新型出生前診断)を受けたとされており、2018年3月には一般診療化されました。

NIPT(新型出生前診断)で調べることができるのは、13トリソミー(パトー症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、21トリソミー(ダウン症候群)の3つです。特にダウン症候群についてはよく知られていますが、他の2つとあわせると赤ちゃんに生じる染色体疾患のうち、約7割を占めることになります。

同じNIPT(新型出生前診断)でも、検査を提供する医療機関によって、内容には違いが生じることがあります。

日本国内でも受けられるベリファイというNIPT(新型出生前診断)では、従来の検査で調べていた3つの染色体異常に加えて、ターナー症候群などの性染色体異常も調べることができます。

また1番から22番までの常染色体と性染色体異常が検査項目となった全染色体検査ベリファイプラスも選択可能です。さらに、性別判定も検査項目に含まれています。

いずれのNIPT(新型出生前診断)も血液を採取するだけで済むため、妊婦さんにも赤ちゃんにも負担がないことは共通しています。ベリファイのように内容が充実したNIPT(新型出生前診断)もあるので、比較検討してみると良いかもしれません。

母体血清マーカーテストはNIPT(新型出生前診断)と似ている?

NIPT(新型出生前診断)だけでなく、母体血清マーカーテストも妊婦さんの血液を採取する検査であるため、この2つの検査を似ていると感じる方が多い傾向にあります。

母体血清マーカーテストは“クアトロテスト”ともいわれ、妊婦さんの血液から4種類の成分を分析し、それらを組み合わせて判定を行います。

母体血清マーカーテストでは、ダウン症候群、エドワーズ症候群の他、神経管閉鎖障害という病気についてもリスクを調べます。

NIPT(新型出生前診断)、母体血清マーカーテストともに、負担が少ない検査であることはメリットですが、どちらも100%の精度で異常の有無を判定できるわけではありません。

それだけでは確定的な診断を行うことができないため、“スクリーニング検査”として位置づけられています。

それに対して、“確定診断”とはそれだけで確かな診断ができる検査のことであり、羊水検査や絨毛検査といったものが含まれます。ただ、確定診断は妊婦さんのお腹に針を刺すなど、負担の大きなものとなってしまいます。

数はそれほど多くないものの、流産や死産、感染症のリスクが高まるというデメリットもあります。

NIPT(新型出生前診断)や母体血清マーカーテストといったスクリーニング検査で異常が疑われる場合は、最終的に羊水検査などを行って確定診断に至ります。

しかし、最初から負担の大きな検査を行うのではなく、まずは異常の可能性を探ることができる点に、スクリーニング検査の意義があるのです。

NIPT(新型出生前診断)とマーカーテストの違いを徹底解説!

母体血清マーカーテストを受けることができる時期は、妊娠15~21週目が目安となります(17週頃までに受けることが推奨されています)。それに対して、NIPT(新型出生前診断)は妊娠10~18週と、検査できる時期がより長くなります。

NIPT(新型出生前診断)の中でも東京の八重洲セムクリニックと大阪の奥野病院が採用しているベリファイの場合は“妊娠10週目以降”という条件を満たせば受検できるため、より制限が少ないことが特徴です。

特にベリファイは内容が充実しており、全染色体を検査することが可能となるため、ダウン症候群、エドワーズ症候群、神経管閉鎖障害を調べる母体血清マーカーテストとは違いがあります。

NIPT(新型出生前診断)と母体血清マーカーテストでは、調べる病気の種類が違うだけでなく、検査精度にも差があります。

実際に異常がある人の中で、検査で陽性という結果が出る確率のことを“感度”といい、母体血清マーカーテストでは86%程度、NIPT(新型出生前診断)では98.9%とされています(※ダウン症候群の検査の場合)。

さらに、NIPT(新型出生前診断)では99.99%という高い陰性的中率を誇ることも特徴であり、検査を行った染色体について、異常がないという事実をほぼ確実に把握できます。

出生前診断のうち、スクリーニング検査を検討されている場合は、母体血清マーカーテストよりも精度が高いとされるNIPT(新型出生前診断)を視野に入れてみると良いかもしれません。

ベリファイのように、内容が充実したNIPT(新型出生前診断)も存在するため、ご興味のある方は詳細を調べてみてはいかがでしょうか。

産婦人科医 奥野幸彦 院長

医師監修:産婦人科医 奥野幸彦 院長

自己紹介

産婦人科医としてこれまで多くの相談を受ける中で、妊婦の方々がご出産までの約10ヶ間様々な不安な気持ちを抱えていることを知りました。そんな不安が少しでも減るように日々の治療・検査を通して妊婦の方々に向き合っていきます。

略歴

  • 1977年 大阪大学 医学部卒業
  • 1977年-1985年 大学病院・市民病院・救急病院などで勤務
  • 1986年 産婦人科・外科・内科を備える奥野病院を開院
  • 2000年 ジェンダークリニックを開院
  • 2017年 八重洲セムクリニックを開院

保有資格等

  • 日本医師会 認定産業医
  • 国際出生前診断学会会員
  • 日本産婦人科学会 認定医
  • 母体保護法指定医