NIPT(新型出生前診断)と母体マーカー(母体血清マーカーテスト)の違いとは?

NIPT(新型出生前診断)と母体マーカーテストは、似た手法を用いている検査です。

しかし、検査を行う時期や精度、調べることができる病気には違いがあります。今回は、この2つの出生前診断に焦点を当て、どのような特徴があるのかをお伝えしていきます。

NIPT(新型出生前診断)は母体マーカーよりも早い時期に受けられる

出生前診断には、羊水検査や絨毛検査のように精度が高い検査もあります。ただ、羊水や絨毛を採取する過程で母体に針を刺すなど、どうしても負担が加わってしまいます。

一方、NIPT(新型出生前診断)や母体マーカー(正式名称:母体血清マーカーテスト)では、そのような負担がありません。いずれも妊婦さんから採血を行うだけで実施できることにメリットがあります。

NIPT(新型出生前診断)と母体マーカーテストでは、採血によって行える点が共通していますが、検査を実施できる時期には違いがあります。

NIPT(新型出生前診断)は妊娠10週以降、母体マーカーは妊娠15週以降に受けることができます。

検査で陽性という結果だった場合は、診断を確定させるために、羊水検査などの確定診断を受けることになります。

確定診断でも陽性の結果で、妊娠を継続しないという選択をするときは、早めに手術を行うことで母体への負担が軽減されます。

手術を行える期間も妊娠22週未満と定められており、結果を受けたあとにご夫婦で話し合う期間も必要なので、早めに検査を行うほうが安心です。

NIPT(新型出生前診断)は母体マーカーより精度が高い

NIPT(新型出生前診断)の精度は、母体マーカーよりも高いというメリットがあります。

検査の精度(感度)とは、実際に染色体異常がある赤ちゃんを事前の検査で検出できる確率を意味します。

ダウン症候群の場合、母体マーカーでは80%、NIPT(新型出生前診断)では98.9%の精度となります。

なお、NIPT(新型出生前診断)の陰性的中率は99.99%とされていますが、これは検査で陰性と反応が出た人のうち、実際に異常がなかった人の確率を示すものです。

つまり、NIPT(新型出生前診断)で異常なしという結果であれば、ほぼ確実に異常がないと解釈することができます。

NIPT(新型出生前診断)と母体マーカーは同じ採血による検査ですが、精度の面では前者にメリットがあるといえます。

NIPT(新型出生前診断)と母体マーカーは調べる疾患が違う

母体マーカーでは、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、神経管閉鎖不全症という3つの病気について検査を行います。

トリソミーとは、本来2本で1組の染色体が1本増える異常を指します。

ダウン症候群は発生率が高く、よく知られている染色体異常です。

エドワーズ症候群とは、流産してしまう可能性が高い病気であり、出生後1年以内には約9割が亡くなってしまうといわれています。

神経管閉鎖不全症とは、神経管がしっかりと閉じない病気であり、閉鎖不全が生じる部位によって二分脊椎症や無脳症になります。

一般的なNIPT(新型出生前診断)の場合、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー(パトー症候群)という3つのトリソミーについて調べます。

母体マーカーとは異なり、神経管閉鎖不全症は対象になっておらず、13トリソミーが含まれている形になります。

この3つのトリソミーは、赤ちゃんの染色体異常のうち約7割を占めるとされています。

同じように採血で実施する検査でも、調べることができる疾患の種類には違いがあります。

NIPT(新型出生前診断)と母体マーカーを比較する際は、時期や精度の他に、検査できる病気についても理解しておきましょう。

八重洲セムクリニックと奥野病院で受けられるNIPT(新型出生前診断)とは?

一般的なNIPT(新型出生前診断)では3つの染色体に生じるトリソミーについて調べますが、実際には他の染色体に異常が生じる可能性もあります。

ヒトには1〜22番の常染色体、性別の決定に関与する性染色体がありますが、これらの染色体に異常が生じる可能性もあります。

八重洲セムクリニック、奥野病院が行うNIPT(新型出生前診断)では、全染色体を対象とした検査を行うことができます。

この検査は“ベリファイ”という名称であり、あらゆる染色体異常がわかるわけではありませんが、1〜22番染色体のトリソミーや、性染色体の異常で生じるターナー症候群などの病気について調べることが可能となります。

さらに、赤ちゃんの性別判定についても結果が開示されるため、早い段階から赤ちゃんを迎え入れる準備ができるという利点もあります。

すでに検査数が5,000件以上を超えており(※2018年6月末時点)、豊富な実績を有していることも安心できるポイントです。

仮に陽性の結果が出た場合は、奥野病院で羊水検査を受けるための費用も含まれているなど、サポート体制も整っています。陽性の結果を受けて、もし妊娠を継続しないという選択をする場合には、手術を行うことも可能です。

母体マーカーとNIPT(新型出生前診断)のどちらを受けるか迷っている方は、ベリファイを視野に入れてみてはいかがでしょうか?

産婦人科医 奥野幸彦 院長

医師監修:産婦人科医 奥野幸彦 院長

自己紹介

産婦人科医としてこれまで多くの相談を受ける中で、妊婦の方々がご出産までの約10ヶ間様々な不安な気持ちを抱えていることを知りました。そんな不安が少しでも減るように日々の治療・検査を通して妊婦の方々に向き合っていきます。

略歴

  • 1977年 大阪大学 医学部卒業
  • 1977年-1985年 大学病院・市民病院・救急病院などで勤務
  • 1986年 産婦人科・外科・内科を備える奥野病院を開院
  • 2000年 ジェンダークリニックを開院
  • 2017年 八重洲セムクリニックを開院

保有資格等

  • 日本医師会 認定産業医
  • 国際出生前診断学会会員
  • 日本産婦人科学会 認定医
  • 母体保護法指定医