羊水検査で陽性反応が出た場合に考えられる遺伝子異常とは?

羊水検査を受けて“陽性”という結果が出たときは、不安な気持ちに駆られる方は多いことでしょう。陽性という結果は、具体的にどんな異常があることを意味するのでしょうか?

今回は、羊水検査でわかる異常の種類にはどのようなものがあるのか、陽性の結果を受け取る前にどんな心の準備をしておけば良いのかを解説します。

確定診断である羊水検査の方法をご紹介

出生前診断とは、赤ちゃんがお腹にいる段階で異常を調べる検査の総称です。検査は“確定診断”と“スクリーニング検査”に分類されますが、それだけで診断を確定させることができる羊水検査は前者に該当します。羊水検査とは、妊婦さんの子宮から羊水の一部を採取する検査のことです。

赤ちゃんは羊水に包まれているため、羊水の中には赤ちゃんに由来する細胞が浮遊しています。羊水検査では、羊水に含まれる赤ちゃんの細胞を分析することで、染色体や遺伝子の異常がわかるという仕組みになっています。妊娠初期の段階では羊水の量が少ないため、羊水検査は妊娠15〜16週目以降に行います。

 

赤ちゃんの状態をエコーで確認してから、妊婦さんのお腹に穿刺針という針を刺します。麻酔をするかどうかは検査を行う医療機関によって異なります。羊水検査の結果は目安として約2週間で知ることができますが、場合によっては、分析のためにそれ以上の時間がかかるケースもあります。

羊水検査で陽性が出る遺伝子異常とは?

羊水検査では基本的に“陽性”または“陰性”という形で結果が開示されます。陽性という結果が出る可能性がある遺伝子異常には、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミー、ターナー症候群、クラインフェルター症候群などが挙げられます。

赤ちゃんの染色体異常の中でも発生率が高いのは21番の染色体に生じるトリソミーであるダウン症候群です。13トリソミーはパトー症候群、18トリソミーはエドワーズ症候群という病気になりますが、この3つを合わせると胎児の染色体異常の約7割になるといわれています。

つまり、羊水検査では発生率の高い主要な染色体異常について、陽性かどうか知ることができるのです。

ターナー症候群とクラインフェルター症候群は、いずれも性染色体に生じる異常とされていますが、こちらも陽性かどうかを判定されます。

その他には、無脳症や開放性二分脊椎など、開放性神経管奇形に該当する病気についても確率を調べることができます。羊水に含まれるAFPというタンパク質の値から、無脳症や開放性二分脊椎の可能性を調べていきます。

羊水検査で陽性が出る前に考えておきたいこととは?

ダウン症候群をはじめ、赤ちゃんの染色体異常は母体の年齢が上がるとともに発生率が上昇することがわかっています。女性の社会進出や晩婚化などの影響で高齢出産が増加しているため、「検査で陽性になるのではないか」と不安を抱えている方も少なくありません。

精度の高い羊水検査で“陽性”という結果が出た場合は、ほぼ確実に異常があるということになります。授かった我が子を出産したいという気持ちがあっても、それぞれのご夫婦が抱えるご事情は様々です。陽性だったときに妊娠を継続するか否か、ご夫婦でよく話し合っておくことが望ましいです。

羊水検査で陽性だったとしても、赤ちゃんを産みたいというご希望を持つご夫婦もいます。陽性や陰性という結果にかかわらず、妊娠の継続を決めている場合は、流産のリスクを伴わないスクリーニング検査の方が安心といえます。

羊水検査を受けるかどうか、受ける場合には結果をどう受け止めるのか。そして、結果を受けてどんな選択をするのか。こういった観点であらかじめ話し合ったうえで、本当に必要な検査と判断した検査を受けると良いでしょう。

羊水検査の代わりにNIPT(新型出生前診断)を受ける選択肢も

リスクを伴う羊水検査を受けることに抵抗感がある方は、前段階としてNIPT(新型出生前診断)を受けるという選択も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

NIPT(新型出生前診断)では、妊婦さんから少量の血液を採取するだけで、比較的高い精度で赤ちゃんの染色体異常を調べることが可能となります。採血だけで実施できるため、流産のリスクはありません。

羊水検査は妊娠15〜18週目での実施となりますが、NIPT(新型出生前診断)は妊娠10週目から受けることができます。NIPT(新型出生前診断)の陰性的中率は99.99%なので、仮に陰性の結果であれば、その染色体にはほぼ確実に異常がないことを意味します。

陽性の結果が出た場合は羊水検査で確定診断を行いますが、先に負担の少ない検査で異常調べられる点にはメリットがあります。

NIPT(新型出生前診断)は日本でも一般診療化されていますが、35歳以上という年齢制限があり、予約が数週間待ちということも珍しくありません。八重洲セムクリニック(東京)と奥野病院(大阪)が行っている“ベリファイ”というNIPT(新型出生前診断)であれば、制限が少なく、内容が充実しています。

ベリファイは採血時に妊娠10週目以降で単胎妊娠また双胎妊娠の方であれば対象となり、医師の紹介状なども必要なく、1回の来院のみで採血を行うことができます。

さらに、一般的なNIPT(新型出生前診断)では13、18、21番の染色体しか調べることができませんが、ベリファイでは全染色体の検査も可能で、性別判定の結果も通知されます。

赤ちゃんの異常について心配がある方は、羊水検査で陽性かどうか判定を受ける前に、ベリファイについて調べてみても良いかもしれません。

産婦人科医 奥野幸彦 院長

医師監修:産婦人科医 奥野幸彦 院長

自己紹介

産婦人科医としてこれまで多くの相談を受ける中で、妊婦の方々がご出産までの約10ヶ間様々な不安な気持ちを抱えていることを知りました。そんな不安が少しでも減るように日々の治療・検査を通して妊婦の方々に向き合っていきます。

略歴

  • 1977年 大阪大学 医学部卒業
  • 1977年-1985年 大学病院・市民病院・救急病院などで勤務
  • 1986年 産婦人科・外科・内科を備える奥野病院を開院
  • 2000年 ジェンダークリニックを開院
  • 2017年 八重洲セムクリニックを開院

保有資格等

  • 日本医師会 認定産業医
  • 国際出生前診断学会会員
  • 日本産婦人科学会 認定医
  • 母体保護法指定医