【NIPT陽性が出たら?】NIPT結果の見方と陽性の解釈の仕方

NIPTは胎児の染色体の数の異常を検査する方法であり、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトー症候群)や他の常染色体、性染色体、さらに微小欠失症候群などを比較的高い精度で検出することが可能です。

結果は陰性・陽性・判定保留のいずれかで出ますが、気になるのが陽性や判定保留の結果が出た時に、結果をどう解釈すればいいのかということです。

今回はNIPTの結果の見方や陽性もしくは判定保留が出た場合の解釈のしかた、最後に最近新たに検査ができるようになった常染色体、微小欠失症候群を調べる検査の見方について解説します。

NIPTの結果の見方

NIPTの結果は、染色体数異常がある可能性として「陰性」「陽性」もしくは「判定保留」という形で出ます。陽性となった場合は胎児に染色体の異常が見られる可能性が高いことを意味します。

はじめに一般的なNIPT(21・18・13トリソミーを調べる)結果の陰性・陽性・判定保留の見方について解説します。

陰性:21・18・13トリソミーではない可能性が高い

NIPTの結果が陰性の場合、胎児が対象トリソミーではない可能性が高いことを示しています。

NIPTにおいて陰性的中率(陰性と判定されたときに実際に胎児が対象のトリソミーでない確率)は99.99%といわれており、陰性であることの信頼性が高い検査となっています。

しかし陰性であっても偽陰性である可能性もあることは注意しなければなりません。

陽性:21・18・13トリソミーいずれかの可能性がある

NIPTの結果が陽性の場合、胎児に対象トリソミーの疾患がある可能性が高いことを意味しています。

35歳10週の妊婦における陽性的中率(陽性と判定されたときに実際に胎児が対象のトリソミーである確率)は84.4%、40歳10週の妊婦で95.2%といわれており、妊婦さんの年齢が上がるほど陽性的中率は高くなる傾向があります。

例えば40歳10週の妊婦が陽性的中率が95.2%であるなら、妊婦さん100人が陽性と判定された場合、そのうち約5人は実際には胎児に対象のトリソミーでないことを示しています。

NIPTは確定診断ではないため、診断の確定を希望する場合には羊水検査や絨毛検査など検査が必要になります。

判定保留:服薬の影響などの要因が考えられる

NIPTでは結果のほとんどが陰性・陽性のいずれかで返ってきますが、0.9%程度の確率で判定保留が出ることがあります。判定保留が出る理由として、妊婦さんが服薬している薬の影響や検査で採取した妊婦さんの血液の中に含まれる胎児由来のDNA断片量が少ないことなどが挙げられます。

血液に含まれる胎児由来のDNAは妊娠週数が進むとともに増えると考えられるため、一度判定保留は出ても再び採血をしてNIPTを行うこともできます。ただし最終的に結果が得られない場合もあり、いずれにしても検査前後に専門家からの遺伝カウンセリングが必要になります。

NIPT結果陽性の解釈のしかた

NIPTを受けたら最も気になるのが、検査結果です。もし結果で陽性が出たらそれぞれの疾患ごとにどう解釈をすればいいのかについて説明します。

対象トリソミーによって陽性的中率が異なる

上述のようにNIPTで陽性が出た場合は、胎児が21・13・18トリソミーの染色体疾患がある可能性が高いと解釈します。NIPTでは陽性と判定が出たときに実際に胎児に染色体疾患である陽性的中率が重要で、それぞれの染色体疾患ごとに陽性的中率が異なります。

妊婦さんの年齢によって陽性的中率も異なりますが、まれに偽陽性である場合もあるため希望する場合は羊水検査などの確定検査が必要になります。

次にそれぞれの染色体疾患ごとに陽性的中率を見てみましょう。

21トリソミー:陽性的中率は高い

21トリソミーでは感度(染色体異常がある場合に陽性となる確率)が99%であり、これは疾患があれば99%見つけることができることを意味しています。

妊娠12週での陽性的中率(21トリソミーの胎児を妊娠している確率)を妊婦さんの年齢ごとに見ると以下のようになります。

  • ・30歳:61.3%
  • ・35歳:80.0%
  • ・40歳:93.7%
  • ・45歳:98.5%

妊婦さんの年齢が高くなるほど陽性的中率は高くなります。さらに陰性的中率(検査結果が陰性の場合に実際に胎児に疾患がない確率)は、30歳以上の妊婦さんはどの年齢でも99.99%となっています。

18トリソミー:陽性的中率は21トリソミーに比べて低い

胎児が18トリソミーの場合21トリソミーよりも症状が重いため、実際に胎児が出生する確率も低くなり罹患率も低くなる傾向があります。

  • ・30歳:10.6%
  • ・35歳:22.9%
  • ・40歳:52.2%

NIPTは実際に染色体疾患がある胎児の妊娠で陽性となる感度や染色体疾患がない胎児の妊娠で検査で陰性となる特異度は高いものの、21トリソミーに比べて疾患の頻度(妊婦さんが18トリソミーの胎児を妊娠している確率)が低いため陽性的中率は下がります。

13トリソミー:2疾患に比べさらに陽性的中率は低い

13トリソミーは、21・18トリソミーに比べて疾患の症状が重いため出生する確率も低く、さらに妊婦さんが13トリソミーの胎児を妊娠している確率も低いため、より陽性的中率は低くなります。

  • ・30歳:4.5%
  • ・35歳:10.5%
  • ・40歳:30.4%

13トリソミーの場合感度は91.7%、特異度は99.7%となります。

偽陽性の可能性もあり、確定的検査が必要

NIPT結果で陽性が出てもその結果だけでは確定診断にはなりません。陽性が出ると胎児に3つの染色体疾患のいずれかの可能性があることを示していますが、判定保留を含めて確定を診断するためには妊娠15週以降に行うことができる羊水検査などが必要になります。

NIPTと同じ非確定的検査として母体血清マーカー検査やコンバインド検査もありますが、これらの検査と比べてNIPTの精度(染色体疾患がある胎児を検査で検出できる割合)は高いといわれています。それでもなお正確な診断をするためには確定的検査(羊水検査・精度99.9%)が必要となるのです。

1〜22番常染色体や性染色体を調べる検査の見方

最近では21・13・18番染色体を含む1〜22番染色体や性別を決める性染色体を調べる全染色体検査も医療機関によっては受けることができます。ここまで見てきたNIPT結果と同じく、陰性・陽性・判定保留で結果が分かります。

検査の精度については21・13・18番以外の常染色体検査の感度や特異度は98%以上となっており、陰性的中率も99.99%となっています。性染色体検査の感度は97〜98%、特異度は98〜99%です。同じく陽性が出ても偽陽性がある可能性もあり、確定診断には羊水検査などが必要になることは同じです。

微小欠失症候群などを調べる検査の見方

微小欠失症候群とは「染色体の特定部分に隣接して存在する遺伝子群の顕微鏡的および超顕微鏡的な欠失または重複によって引き起こされる疾患」*1のことで、検査では遺伝子の微細な欠失があるかどうかを調べます。

微小欠失症候群のうちディ・ジョージ症候群の陽性的中率は90.9%であり、その他の疾患は11〜67%と開きがあります。いずれの疾患も陰性的中率は99.9%です。

陽性と出た場合は確定検査が必要になります。

*1MSDマニュアルプロフェッショナル版「微小欠失症候群」

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/19-小児科/染色体異常と遺伝子異

まとめ:NIPT陽性が出たら確定的検査も考慮

NIPTで陽性が出たら、偽陽性の可能性も考えて確定的検査(羊水検査)が必要になりますが、実際に検査を受けるかは夫婦の意思によります。

NIPTは非確定的検査であり、胎児の染色体疾患を確定診断するものではないことを念頭に入れた上で、検査の結果を受け止め陽性となった場合には羊水検査などの確定検査を受けるのかどうかを事前に夫婦で決めておくことをおすすめします。

もちろん夫婦だけで判断できない場合には医師や遺伝カウンセラーに相談するようにしましょう。

安心してNIPTを受診するためには病院選びが大切

婦人科専門医のNIPT予約センター(八重洲セムクリニック・奥の病院)は、総検査数10,000件を超える豊富な検査実績と充実したアフターサポートにより多く方に選ばれています。

■NIPTの検査実績

2016年より年齢制限のないNIPTを提供し、日本国内の医療機関でNIPT総検査数10,000件を超える実績をもつ専門医療機関です。

■NIPTに対する高い専門性

出生前診断歴40年を超える産婦人科専門医かつ国際出生前診断学会であるInternational Society for Prenatal Diagnosis: ISPD会員の医師が検査を担当します。

■羊水検査が可能

陽性だった場合の羊水検査の実施も当院にて可能です。他院で受ける必要はありません。(※人工中絶手術も当院にて可能です。)

■国際医療輸送の実績

血液検体の輸送は、国際医療輸送の専門企業が担当します。検体紛失や取り違いは1度もありません。

まずは専門医によるカウンセリングにてお気軽にご相談ください。