赤ちゃんが小さいと言われて不安。胎児発育不全について知りたい

妊婦健診での超音波断層法(エコー検査)は、妊婦さんにとって楽しみな時間ですね。でも、健診時に「赤ちゃんが小さい」と言われてとても心配…。胎児の状態が標準を逸脱して小さい状態を、『胎児発育不全』といいますが、具体的にどのような状態なのでしょうか。

胎児発育不全とはどういう状態か

同じ週数であっても、胎児の大きさにも個人差があります。「赤ちゃんが大きめ」「赤ちゃんが小さめ」と健診で言われることはよくある光景です。妊婦さんの気持ちとしては、大きめといわれるよりも、小さめと言われる方が不安要素が大きいかもしれません。

「小さめ」と言われていても、標準範囲内であればもちろん心配ありません。でも、明らかに小さく、「胎児発育不全かもしれない」と言われてしまった…。

「胎児発育不全」とは、字の通り、胎児の発育が十分でないことを表しています。胎児の大きさを測るには、超音波断層法を行いますが、この検査で-1.5SDという数値を下回ったときに、胎児発育不全と診断されます。標準の妊娠週数の胎児の大きさを基に判断するので、正確な妊娠週数が大切です。

正確な妊娠週数の把握のためには、胎児の大きさに個人差があまりないとされている妊娠8週~11週の間に胎児の大きさを測定している必要があります。最終月経から割り出した妊娠週数では排卵日のずれもあり、正確な妊娠週数とは言えません。

胎児発育不全になる原因として考えられるもの

母体に原因がある場合

母体にもともと基礎疾患として高血圧、糖尿病、腎臓病があると、胎児発育不全の原因となることがあります。妊娠後の原因としては、妊娠高血圧症、多胎妊娠があります。

妊婦の飲酒、喫煙も胎児発育不全の原因として挙げられます。妊娠後は胎児の健全な発育のためにも、飲酒、喫煙は控えるようにしましょう。

胎盤・臍帯に問題がある場合

胎児の発育にとって重要な役割の胎盤ですが、この胎盤になんらかの障害があることで胎児発育不全の原因となることがあります。胎盤の機能が低下している、胎盤の形態に問題があるなどということが考えられます。

臍帯に異常がある場合も胎児の発育を妨げる原因となります。臍帯はねじれている状態が通常ですが、ねじれが強くなりすぎてしまう臍帯過捻転や、正常では2本の臍帯動脈があるはずが1本しかない単一臍帯動脈では、臍帯の血流が障害され、胎児発育不全の原因となります。

胎児に問題がある場合

胎児自身に問題があり、胎児発育不全となることもあります。胎児に原因があるケースで一番多いのは染色体異常です。胎児の身体が小さいのが特徴とされる13トリソミー(パト―症候群)や、18トリソミー(エドワーズ症候群)では、とくにその傾向が見られます。そのほかの奇形や、先天性のウイルス感染があった場合にも、胎児発育不全として現われることがあります。

胎児発育不全の原因の割合としては、胎盤や臍帯に原因がある割合が最も多く、次に胎児に原因がある場合、母体に原因がある場合の順となります。しかし、発育不全の原因は複数の原因が関係していることや、原因が特定されないこともあります。

胎児発育不全の経過から原因を探ると、妊娠初期から胎児が小さい場合には染色体の異常が原因であることが多くあります。妊娠初期は標準だったが、途中から発育不全となってきた場合には、胎盤や臍帯に原因があり、血流に問題があることが考えられます。

胎児発育不全と診断されたら?

胎児発育不全では、妊婦自身が自覚症状として感じる症状は何もありません。お腹が小さいことから、胎児の発育を心配する妊婦さんがいますが、お腹の大きさと胎児の発育とは無関係です。胎児発育不全は、妊婦健診での超音波断層法で胎児の大きさを診ているときに発見されます。

胎児発育不全の診断方法とは

胎児発育不全は「FGR]とも表現されますが、これは英語の「fetal growth restriction」を略したものです。超音波断層法で胎児の状態を診ているときに指摘されますが、超音波断層法で出す胎児の体重はあくまでも推定体重であり、このほかに胎盤や臍帯の状態、羊水の量など、様々な情報から総合的に診断されます。

診断の基準となる-1.5SDとは、基準値よりもどのくらいズレがあるのかということを示す数値です。小さめでも正常な胎児は多くいます。胎児が小さめであると判断されたら、体質的な個体差で問題がないのか、発育不全の状態なのかということを慎重に診ていかなければいけません。

胎児発育不全の原因がわかったときに、その原因を取り除くとその後の発育が順調となることもありますが、原因のわからないこと、原因がわかってもどうにもできないことももちろんあります。胎児の染色体異常が疑われるときには、出生前診断で胎児の染色体異常の有無を調べることができます。

出生前検査にはいろいろな種類があり、検査方法によってリスクが変わってきます。通常は、リスクの少ない検査からおこないます。その中でも、「NIPT」と呼ばれる「新型出生前診断」では、妊婦の採血のみで検査することができ、国内では2013年から導入された検査法です。

診断後、注意することは

胎児発育不全では、確立された治療法がなく、原因を探り、その原因に合わせて対応していくほかありません。赤ちゃんが小さいとわかったときに、周囲から「栄養が足りないんじゃないか」と、食事を多く取ることを勧められることがありますが、食事を多く取ったからといって正常まで大きく育つという根拠はなく、妊婦が過剰に栄養を取りすぎることで体重が増えすぎて分娩に支障をきたすことや、妊娠高血圧の発症や悪化も考えられます。

昔は2人分食べなければと言われていたこともあるようですが、現代の栄養状態を考えると、食事を2人分取るのは明らかに食べすぎです。出産にも影響するので、赤ちゃんを大きくしたいからと、食べ過ぎないように注意しなければいけません。ストレスのないように、安静に過ごすことが大切ですので、胎児発育不全についてきちんと理解し、無理のない生活を心掛けましょう。

胎児発育不全と診断された後は、慎重に胎児の成長度合いを観察していくことが必要になり、場合によっては管理入院が必要となることもあります。少しでも胎内で胎児を成長させることが大切です。

分娩時期についても、胎児の状態によっては早産の時期であっても、これ以上妊娠を継続させることが、母体や胎児、または両方にとって危険な状態となれば、人工的に分娩を早めることもあります。分娩時期や胎児の状態によって、帝王切開が検討されます。生まれる時期や大きさによっては、NICU(新生児集中治療室)の入院が必要となることもあり、初めから設備の整った病院へ転院を勧められることもあります。

赤ちゃんがうまく育っていない状態というのは、お母さんにとっては非常に心配なことですが、不安なことはひとりで抱えずに家族など頼れる人に相談する、医者や看護師としっかりとコミュニケーションを取っていくということが大切です。

胎児発育不全というのは、どんなに妊娠前から身体の状態に気を付けていても、妊娠後も慎重にしていても、起きるときには起きてしまうもので、その原因にもさまざまなものがあります。お母さん自身や、周囲の人が「お母さんの責任だ」というふうにしてしまわないようにしなければいけません。

分娩時期によっては小さい状態で赤ちゃんが生まれてしまうこともありますが、出産後の対応も含めて、不安なことは改善していくようにしましょう。

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