クラインフェルター症候群とは?特徴や原因・発症確率など詳しく解説していきます

赤ちゃんの病気を調べていくなかで、「クラインフェルター症候群」という病名を目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「お腹の赤ちゃんがクラインフェルター症候群だったら…」と、心配になる妊婦さんは少なくありません。

そこで今回は、クラインフェルター症候群の特徴・原因・発症確率について詳しくお伝えしていきます。

クラインフェルター症候群とは

クラインフェルター症候群は、染色体異常による病気です。
この病気は、両親それぞれから1本ずつ受け継ぐはずの染色体が1本多いことで発症します。
クラインフェルター症候群は、男児が余分な性染色体をもっている場合に引き起こされるため、患者は男性のみです。

次の項目では、クラインフェルター症候群がどういった病気なのか、特徴・原因・発症確率について詳しく解説していきます。

クラインフェルター症候群の発症確率

クラインフェルター症候群は、もっとも頻度の高い性染色体異常です。
生まれてきた男児でクラインフェルター症候群を発症する確率は、約500~1,000人に1人の割合といわれています。

クラインフェルター症候群の原因

クラインフェルター症候群は、染色体の数の異常によって発症する病気です。

私たちの体を構成しているすべての細胞内には染色体が存在しており、その染色体のなかには、人体の設計図の役割を担う遺伝子(DNA)が入っています。

父親と母親から引き継いだ23本ずつの染色体は、それぞれペアとなり、23対の染色体を構成します。
23対の染色体のうち22対は、常染色体です。
常染色体は人の髪の毛や目の色をはじめとした、個人の顔や体の特徴を決める情報をもっているものです。
残りの1対は性染色体と呼ばれ、性別を決定します。

この性別を決める性染色体には、X染色体とY染色体の2種類があります。
「XとY」の組み合わせだと男性、「XとX」組み合わせだと女性です。

染色体は、父親と母親からそれぞれ23本ずつ受け継ぐとお伝えしました。
母親から受け継ぐ性染色体は、X染色体だけです。
そのため、父親からX染色体をもらったら女の子、Y染色体をもらったら男の子といったように、子供の性別が決まります。

両親から子供に染色体を受け継ぐときに、父親と母親から1本ずつもらうべき染色体を多く受け継いだり、逆に受け継ぐ数が少なかったり、形が変わってしまったものが染色体異常です。
クラインフェルター症候群は、男性が余分なX染色体(XXY)をもっていることで発症します。

クラインフェルター症候群の60%の男性が、母親から余分なX染色体を受け継ぎます。
また、高齢出産による影響はないと考えられており、発症にいたるメカニズムの多くはいまだ解明されていません。

クラインフェルター症候群の特徴

クラインフェルター症候群の男の子の特徴は多様で、症状の程度も個人差が大きく見られます。
以下では、とくに頻度の高い特徴をまとめましたので、順に見ていきましょう。

■知能
・正常かやや低め
・言語機能の低下(とくに表出性言語)
・計画を立てることが困難
・洞察力・判断力が低い

クラインフェルター症候群の男性のほとんどは、知能は正常かやや低めです。
多くの場合、発語と読むことに障害があり、計画を立てることが困難です。
洞察力を欠き、判断力が低く、過去の失敗から学ぶ能力に問題があるため、しばしばトラブルを経験します。

■身体的特徴
・高身長、やせ型、長い手足
・女性化乳房
・体毛の発育不良
・陰茎が小さい
・精巣の発達不良

クラインフェルター症候群は、外見でわかるような身体的特徴はない場合が多いです。
余分なX染色体は、正常な男性としての発達を阻害し、男性ホルモンの量も低下させます。
そのため、思春期は正常な時期に訪れますが、髭など体毛の成長がまばらで、胸が少し膨らみます(女性化乳房)。

クラインフェルター症候群の男性は通常精巣が成長しないので、生殖能力がありません。
しかし精子ができるほど精巣が発達する場合もあり、その程度はさまざまです。

クラインフェルター症候群の治療法

染色体そのものは変えられないため、クラインフェルター症候群の根本的な治療法はありません。
しかし、特徴として挙げたそれぞれの症状に対して治療を行うことはできます。

専門家による療育

発語と読むことに障害がある場合は、小児期の言語療法が有益です。
専門家による療育を行うことで、最終的には学校でもうまくやっていけるようになります。

ホルモン補充療法

青年期からは、生涯にわたるテストステロン療法を行います。
テストステロンとは男性ホルモンのことです。
テストステロンを補充することで、骨密度を高めて骨折を起こりにくくするほか、男性的な体づくりを促せます。

不妊治療

クラインフェルター症候群にともなう不妊症に対しては、体外受精や顕微授精を行います。
クラインフェルター症候群の方における精子回収率は、約50~60%です。

最近では、クラインフェルター症候群の青年に対する生殖能力を維持するための、カウンセリングが重要視されています。

クラインフェルター症候群として生まれた赤ちゃんの今後は?

クラインフェルター症候群の男性の寿命は、ほかの男性と大きな差はありません。
適切な治療を受けることで、日常生活を過ごすことが十分に可能です。

ただしほかの男性と比べて、糖尿病・慢性肺疾患・静脈瘤・甲状腺機能低下症・乳がんなどの頻度が高いという報告もあります。
定期的な検査による早期発見を心がけ、病気が発症した場合は、それぞれ適切な治療を受けることが大切です。

赤ちゃんがクラインフェルター症候群か検査する方法

クラインフェルター症候群は、症状があらわれる思春期や、不妊症の評価の過程で疑われることが多い疾患です。
そのため、多くは思春期以降に「G-banding」と呼ばれる染色体検査により診断されます。
G-bandingは、患者から採血し、その染色体を分析する検査方法です。

出生前診断によって発見される場合もあります。
出生前診断とは、ダウン症(21トリソミー)などの染色体異常を調べる検査のことです。
非確定検査と確定検査に分かれており、非確定検査では「染色体異常の可能性があるか」がわかります。
正確に調べるためには、確定検査を受けなければなりません。

なお、非確定検査(NIPTなど)の検査項目に、クラインフェルター症候群が含まれている施設は限られています。
クラインフェルター症候群であるかどうかを重点的に調べたい場合は、非確定検査を行う前に確認しておきましょう。

まとめ:クラインフェルター症候群への不安は新型出生前診断で取り除ける


今回は、クラインフェルター症候群の原因・検査方法・治療について、詳しくお伝えしてきました。

赤ちゃんが大切だからこそ、クラインフェルター症候群のような染色体疾患へ不安を感じる妊婦さんは多いはずです。
そのようなときは、ぜひ新型出生前診断(NIPT)の受診も視野に入れてみましょう。
治療して治る病気ではないものの、NIPTで早期発見し、治療の準備を行うことや赤ちゃんのサポート体制を整えることが可能です。

上記でお伝えしたように、NIPTでクラインフェルター症候群が検査項目に入っている施設は限られています。
受診をお考えの際は、検査項目にも注目して施設を選ぶようにしましょう。

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