ダウン症(21トリソミー)の検査方法とは?発症率や特徴について解説していきます

妊娠中、お腹の中の赤ちゃんが病気でないか気になる方も多いのではないでしょうか。

中でもダウン症(21トリソミー)は、先天的な病気の中でもよく耳にする病気です。
染色体疾患で産まれてくる赤ちゃんの半数以上は、ダウン症(21トリソミー)であるとされています。

今回はそんな気になるダウン症(21トリソミー)の検査方法について詳しく解説していきます。
出産を控えている方や、ダウン症について知っておきたいという方はぜひ参考にしてください。

ダウン症(21トリソミー)を調べる検査方法とは

赤ちゃんがダウン症であるかどうかは、妊婦検診や胎児ドッグのエコー検査といった出生前の検査、出生後の乳児の血液検査など複数の検査によって知ることができます。

多くの検査は母体にかかる負担や検査精度などを考慮し、医師の判断でおこなわれますが、中には出生前には精密な検査をせず、ダウン症の診断を受けないまま出産するケースもあります。
その場合は、出生後ダウン症の疑いが見られた段階で精密検査に入ることが多いです。

それぞれ、出生前におこなう検査と出生後におこなう検査について説明していきます。

出生前の検査

出生前の段階では、妊婦検診や胎児ドッグのエコー検査でダウン症が疑われることがあります。
また、新型出生前診断(NIPT)などの、染色体疾患の発見にすぐれている出生前診断を受ければ、より詳しく調べることが可能です。

エコー検査

超音波を使ったエコー検査で、ダウン症の可能性を知ることができます。
通常の妊婦検診でおこなうエコー検査でも異常が発見されることはありますが、こちらは医師の目視による判断のみのため、不安な方はより詳しく検査をおこなう胎児ドッグがおすすめです。

胎児ドッグは子供の形態異常を発見するのに適しています。
ダウン症の可能性を調べる際は、以下のような症状が出やすい妊娠初期に受けてみましょう。

■後頚部の厚み

ダウン症の子供によく見られる特徴が後頚部の厚み(NT)、いわゆる首のむくみです。
妊娠初期の後頚部の厚みは正常な子供でもみられますが、むくみが継続・肥大する場合はダウン症が疑われます。

■鼻骨の形成度合い

ダウン症児は胎児のころから鼻の骨の成長が遅く、平坦な顔にみえるのが特徴です。
エコーで鼻の骨が確認できなかったり、極端に短かったりする場合はダウン症が疑われます。

■静脈管の逆流

子供のへその緒から、妊婦さんの心臓までつながっている血管の途中に逆流があると、ダウン症の疑いがあります。
正常な子供でも逆流は見られますが、ダウン症や18トリソミー・13トリソミーに多くみられる症状です。

■三尖弁の血液に逆流

子供の心臓の右心房から右心室の間にある、三尖弁という弁に血液の逆流があるとダウン症の疑いがあります。
ダウン症の子供の約半数は心臓に先天性の病気をもっているため、この症状が見られる場合があるのです。

上記の症状は、いずれも健康な子供にも見られることがあります。
また、後頚部の厚みや鼻骨の形成具合は子供の姿勢などで見え方が変わるため、必ずしも正確とはいえません。
そのためエコー検査で異常があった場合でも、ダウン症であると診断するには確定検査が必要となります。

【関連記事:NIPT(新型出生前診断)でわかることは?超音波(エコー)検査との比較でその違いやメリットについて解説

新型出生前診断

新型出生前診断(NIPT)とは出生前診断の1つで、ダウン症(21トリソミー)・エドワーズ症候群(18トリソミー)・パトー症候群(13トリソミー)といった染色体異常の有無を調べる検査です。
妊婦さんの血液に含まれる子供由来のDNAを分析するため、エコー検査よりも正確な結果を知ることができます。

新型出生前診断(NIPT)は非確定検査ですが、検査感度約99%と非常に高い精度です。
若い妊婦さんであるほど陽性的中率が下がる傾向にありますが、陰性的中率は母体年齢にかかわらず99.99%となっています。
したがって、陰性の場合はダウン症ではないと判断できるでしょう。

また、検査方法は妊婦さんの採血のみで、母体や胎児への負担がほとんどないのがメリットです。
新型出生前診断(NIPT)は非確定検査であるため、陽性であってもダウン症の可能性が高いとしかいえません。
診断を確定するには羊水検査や絨毛検査の受診が必要になりますが、わずかながら破水や流産などのリスクがあります。そのため、出生前診断を希望する人は、まずは新型出生前診断の受診を検討してみましょう。

【関連記事:新型出生前診断(NIPT)とは|概要やメリット・注意点などを解説します

出生後の検査

出生後にダウン症であると診断するきっかけは、子供の顔つきや身体的特徴です。
ダウン症児は平坦な顔で、そのほかにも顔つきや手足に大きな特徴があります。
これらの特徴からダウン症の疑いがある場合、診断のために乳児の血液検査が必要です。

ダウン症の子供は心臓や消化器に先天性の病気をもっているケースや、その後も多くの合併症を患う可能性があります。
早期治療・予防のためには、定期的な診察・検査が重要といえるでしょう。

ダウン症の発症率や特徴

ダウン症は、染色体異常の中で特に多くみられる疾患です。
ほかの染色体疾患と比べ生存率が高く、誕生した子供のほとんどが成人になります。
ここからは、ダウン症の発症率や特徴を詳しく説明していきます。

ダウン症の発症率

ダウン症の発症確率は600~800人に1人とされていますが、妊婦さんの年齢によって変わることがわかっています。
実際の発生頻度は20歳の妊婦さんでは1667人に1人、30歳では952人に1人、45歳になると29人に1人となっており、高齢出産であるほど発症のリスクは高まります。

ダウン症の特徴

ダウン症の子供は筋肉が弱く、身体・精神ともに成長が遅めです。
顔つきや体つきなどの外見のほか、精神的にも大きな特徴があります。
おもな特徴は以下の表のとおりです。

身体的特徴 頭が小さい 平坦な顔 つり目 鼻・耳が小さい 舌が大きい
手足 手指が短い外反母趾
体系 低身長肥満になりやすい
合併症 心臓・消化器に先天性疾患 白血病 甲状腺疾患 糖尿病視力障害 難聴など
精神的特徴 性格 おとなしい
知能指数 IQ30~50程度とされるが、個人差が大きい
患いやすい精神・神経疾患など 自閉症 注意欠如・多動症(ADHD) うつ病 てんかん アルツハイマー病など

ダウン症の特徴については「ダウン症(21トリソミー)の特徴とは?発症確率や原因など詳しく解説していきます」で詳しく解説していますのでこちらもご確認ください。

出生前にダウン症(21トリソミー)の検査をすれば子供を迎える準備ができる

ダウン症は、高齢出産になるにつれて発症のリスクが非常に高くなる病気です。
また合併症を患うケースが多いため、出生後からさまざまな治療が必要になってきます。

リスクがあり不安に思う人や、病気の可能性がある子供に必要な環境を整えておきたいと考える人には、出生前の検査がおすすめです。

妊婦さんへの負担が少ない新型出生前診断(NIPT)を、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

安心して出産するための新型出生前診断(NIPT)という選択肢

■妊娠中のリスク管理には出生前診断が有効です

妊娠すると心身が変化をはじめ、妊婦さんとお腹の赤ちゃんは様々な要因から病気になるリスクが高くなります。出生前診断は妊娠管理の上で有益な情報源となります。

胎児に異常が見受けられる場合には早期に準備ができますし、流産しやすいなどの特徴が見られる場合は個別の対応をすることが可能になります。
早期の発見には、出生前診断の中でも採血のみで高精度の検査が可能なNIPT(新型出生前診断)がおすすめです。

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