胎児のダウン症の可能性を調べることができる出生前診断の種類や特徴について

ダウン症(ダウン症候群)は新生児に最も多く見られる染色体異常で、毎年800人の出生あたり1人の割合で誕生すると言われています。

今回は出生前の胎児にダウン症の可能性がないか調べることができる出生前診断の種類や特徴について解説します。

出生前診断で調べることができるダウン症とは

私たちヒトの体細胞には22対の常染色体と2種類の性染色体の46本の染色体が存在します。

正常であれば2本1対のはずの染色体が、なんらかの原因で1本多く3本になってしまうことをトリソミー、逆に1本しかない状態をモノソミーといい、どちらも染色体異常ということになります。

このうち、21番目の染色体が3本になることを21トリソミーといい、今回解説するダウン症にあたります。

ダウン症は新生児に最も多い染色体異常で、特徴としては知的発達や運動能力の発達に遅れが見られるほか、先天性の心疾患や消化器疾患などを合併する可能性が高く、また外見的特徴や顔貌の特徴などが見られることもあります。

ダウン症を抱えた新生児が生まれてくる割合は全出産の約800分の1と言われていますが、ダウン症をはじめとする染色体異常は高齢出産になるほど確率が高くなるという大きな特徴があります。

そのため、全出産で見れば800分の1ですが、妊婦さんが20歳未満の場合では約2,000分の1、逆に40歳以上では約40分の1になると言われています。

近年、晩婚化や女性の社会進出など、時代背景が大きく変化したことにより高齢出産が急増していることを受け、出生前診断を行ってダウン症の可能性について調べる妊婦さんが増えています。

ダウン症を調べることができる出生前診断の種類

現在、ダウン症の可能性を調べることができる主な出生前診断は次の4種類です。

  • 母体血清マーカーテスト
  • 羊水検査
  • 絨毛検査
  • 新型出生前診断(NIPT)
それぞれ特徴やメリット・デメリットなどを見ていきましょう。

母体血清マーカーテスト(妊娠15~21週)※推奨は妊娠17週目まで

スクリーニング検査の一種で、母体から採血し、血液中の成分を分析することで21トリソミーなどの可能性を調べる検査です。

採血のみの検査方法ですので、母体や胎児への身体的負担がほとんどなく、検査が直接的な原因となる流産の可能性もほぼありませんが、その分検査の精度は低くなり(約80~86%程度)、陽性だった場合は多くの妊婦さんが確定診断を受けます。

羊水検査(妊娠15~18週)

確定診断の一つで、母体の腹部に針を刺して羊水を採取し、含まれる物質や成分を分析することで染色体異常やその他の遺伝子異常がないかを調べる検査です。

検査の精度はほぼ100%とされていますが、母体の腹部に針を刺すため、少なからず母体や胎児に身体的負担が生じるほか、稀にですが流産や感染症などを招くリスクも抱えています。

絨毛検査(妊娠9~13週)

羊水検査と同じ確定診断に分類される検査で、母体の腹部に針を刺すか、あるいは子宮頸部にカテーテルを挿入して胎盤から絨毛を採取し、含まれる細胞などの成分を分析することで染色体異常やその他の遺伝子異常がないかを調べる検査です。

羊水検査と同じく精度はほぼ100%とされていますが、やはり母体に針を刺す(あるいはカテーテルを挿入する)ため身体的負担が生じ、流産や感染症などのリスクも伴います。

新型出生前診断(妊娠10~18週)

2013年より日本でも開始されたスクリーニング検査の一種で、母体から採血してその成分を分析することで21トリソミーなどの可能性を調べることができる検査です。

母体や胎児への身体的負担はほとんどなく、また母体血清マーカーテストと比べると精度は大幅に向上していますが(99%)、診断を確定するには至りませんので陽性だった場合には羊水検査などを受けて診断を確定させることになります。

新型出生前診断の課題

このように4種類の出生前診断がありますが、現在主流となっているのは新型出生前診断を受け、陽性の検査結果であれば羊水検査を受けるという流れとなっています。

確かに、母体血清マーカーテストと比べ、ダウン症の可能性についての検査精度が大幅に向上した新型出生前診断ではありますが、

  • 費用が高額になりがち
  • 羊水検査を受ける場合はさらに費用が必要になることがある
など経済的負担が大きくなってしまうほか、
  • 出産予定日時点で妊婦が35歳以上であること
  • 妊娠10~18週目の期間内であること
  • 妊婦または配偶者に染色体異常が見られること
  • 過去に染色体異常の胎児の妊娠や出産経験があること
といった条件を満たさなければならないうえに、かかりつけ医からの直接の検査予約や紹介状が必要になったり、検査を受ける病院で分娩予定でなければならなかったりなど、病院側が独自に決めた条件もクリアしなければなりません。

また、そもそも検査を実施できる病院が少ないため、採血までに数週間~数ヶ月かかることもあり、妊娠10~18週の期間内に検査を受けることができないケースも少なくありません。

出生前にダウン症の可能性を調べることで出生後に備えることができるため、有用な検査でありながら、希望するすべての妊婦さん受けることができないというのが現状なのです。

アメリカの新型出生前診断では高精度でダウン症についての検査が可能

出生前診断先進国のアメリカでは、保険の適用範囲内で検査を実施できるケースもあるようです。

そんなアメリカで採用されている“Verifi”および“Verifi Plus”という新型出生前診断があるのをご存知でしょうか。

一般的な新型出生前診断を受けるために必要となる年齢制限、かかりつけ医からの予約および紹介状、分娩指定なども一切なく、妊娠10週以上で検査を希望する妊婦さんであれば受けることができるというものです。

ダウン症の出生前診断においては感度98.90%、特異度99.99%という高い精度を実現しており、陽性的中率も35歳で97.6%、40歳で99.3%とすべてにおいて一般的な新型出生前診断よりも向上しています。

なお、陰性的中率は99.99%と非常に高い的中率となっており、陰性が出た場合はほぼ安心です。そのため、リスクの高い羊水検査を避けることができる検査と言えます。

この“Verifi”や“Verifi Plus”は、八重洲セムクリニック(東京)と奥野病院(大阪)で採用しており、万が一陽性の結果だった場合は羊水検査が無料で受けられるほか、結果通知後の医師による再診察も無料で受けることができるようです。

不安を抱えたままの妊娠は、母体はもちろん、胎児にも良くない影響を与えかねません。

妊娠や出産に関して少しでも不安を抱えている妊婦さんはぜひ、この検査を検討してみてはいかがでしょうか?

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10,000件のカウンセリングを通して妊婦さん一人一人と向き合ってきた、出生前診断歴45年を超える産婦人科医かつ国際出生前診断学会の会員である医師が検査を担当します。

■羊水検査が可能

陽性だった場合は羊水検査の実施まで責任を持って行います。他院で受ける必要はなく、その他紹介状やかかりつけ医への説明についてもご相談が可能です。

■検査会社の実績

累計検査数100,000件を超える実績を持つベリナタヘルス社へ検査を委託しています。「ベリナタ法」と呼ばれる独自のサンプリング技術によって、微小欠失まで調べることが可能です。

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血液検体の輸送は、WHOが規定する国際基準に従い国際医療輸送の専門企業が担当します。検体紛失や取り違いは1度もありません。

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