NIPT(新型出生前診断)で検査できるパトー症候群とは何?発生率や生存率はどれくらい? | 新型出生前診断(NIPT)

※本コラムは掲載日時点での情報です。検査名称、検査機関、検査国、価格等については医療機関の都合で変更となる恐れがあります。 最新の情報はHP等でお確かめください。

NIPT(新型出生前診断)で検査できるパトー症候群とは何?発生率や生存率はどれくらい?

NIPT(新型出生前診断)では赤ちゃんの染色体異常の可能性について調べることができます。一般的に染色体異常といえばダウン症候群がよく知られていますが、パトー症候群という病気もあります。今回は、パトー症候群とはどんな病気なのか、発生率や生存率の情報とともにお伝えしていきます。

パトー症候群の発生率や生存率が知りたい!

ヒトの染色体には、22組の常染色体と、1組の性染色体があります。常染色体には1番から22番までの番号がつけられており、異常が生じる染色体の種類によって発症する病気は変わってきます。たとえば、ダウン症候群は21番の染色体が1本増えた“21トリソミー”という異常が原因となります。

 

パトー症候群は、13番の染色体が1本増えた“13トリソミー”によって発生する病気のことです。この病気を見つけた方の名前にちなんで、パトー症候群と呼ばれています。

 

パトー症候群の発生に遺伝的な影響はほとんどありませんが、細胞が分裂するときに起きる突然変異が原因と考えられています。

 

染色体異常にはさまざまな種類がありますが、ダウン症候群が最も多く、次いでエドワーズ症候群(18トリソミー)、パトー症候群の順で発生頻度が高くなります。パトー症候群の発生率は約1万人に1人といわれており、母体の年齢が上がるとともに発生頻度は高くなります。

 

パトー症候群がある場合は、残念ながら流産になってしまう可能性が高いです。無事に出生できた場合にも、生まれた赤ちゃんの約8割は生後1カ月以内に亡くなり、1年以上生存できる子供の割合は1割未満とされています。

 

パトー症候群では、先天性の心疾患、聴力障害、骨格系や神経系の症状などを伴うことが多いですが、合併症が重いほど生存することが難しくなります。

 

パトー症候群はどうすれば調べられる?

パトー症候群があるかどうか、出産前の段階で調べる方法もあります。パトー症候群の場合は奇形などの外見的な異常が現れることが多いため、超音波検査を受けたときに異常の可能性がわかるケースもあります。

 

また、羊水検査や絨毛検査などの出生前診断では、パトー症候群があるかどうか、確定診断を行うことが可能となります。羊水検査では羊水の一部を、絨毛検査では胎盤の一部を採取して検査を行います。ただし、どちらも体に負担がかかる検査であり、羊水検査と比較して絨毛検査では手技が難しいため、実施できる施設が限られています。

 

これらのリスクを避けるために、2018年3月にはNIPT(新型出生前診断)という新しい検査が一般診療化され、注目を集めるようになりました。

 

NIPT(新型出生前診断)は、母体から採血を行って胎児のDNA断片を調べる検査です。非常に簡便で負担の少ない検査でありながら、高い精度で染色体異常を探ることができるため、診断を希望する方が増えています。

 

リスクのある確定診断を受ける前に知っておきたいこと

羊水検査や絨毛検査などの確定診断では、いずれもお腹に針を刺すことになります。母体には負担が大きいですし、感染や流産などのリスクが高まるという心配があるため、染色体異常が疑われる人だけが実施します。

 

いきなりリスクのある確定診断を受けるのではなく、その前段階としてNIPT(新型出生前診断)を受けるという選択をする方も少なくありません。

 

NIPT(新型出生前診断)の検査精度は病気の種類、母体の年齢といった要因によっても変化しますが、いずれも100%の精度ではありません。ただ、NIPT(新型出生前診断)では陰性的中率が99. 99%と高い水準であるため、陰性だった場合にはほぼ間違いなく“染色体異常がない”ということになります。

 

NIPT(新型出生前診断)では発生頻度の高いダウン症候群、エドワーズ症候群、パトー症候群の可能性を調べることができます。ただ、実際にはこれ以外の染色体異常もあり、不安が払拭しきれないため、全染色体を調べることができる検査を提供する機関もあります。

 

国内では、八重洲セムクリニック(東京)、奥野病院(大阪)が一般的な新型出生前診断と同じ検査項目に加えて、その他の常染色体すべてと性染色体の全染色体検査も可能なNIPT “ベリファイ”を提供しています。

 

こちらの機関が提供するベリファイでは、胎児の性別判定に関する結果も受け取れることや、35歳以上という年齢制限がないことなど、特徴的な点がいくつかあります。

 

このように、同じNIPT(新型出生前診断)でも受ける機関によって特徴が異なる場合があるので、ご興味をお持ちの方は詳しく調べてみてはいかがでしょうか?

SACHIHIKO OKUNO 

European Academy for IPT日本代表。1945年、兵庫県に生まれる。68年、東京大学工学部卒業、大手電機メーカーに入社、マイクロ波の研究開発などに従事する。71年、医師を志し同社退社、大阪大学医学部に学士入学。同大卒業後、大学病院、市民病院、救急病院などでの勤務を経て、86年、地域医療の中核施設として、外科、内科、産婦人科を備える奥野病院を開設した。以後、無医村対策やがんの統合医療、ジェンダー医療などにも力を注ぐかたわら、世界の医療機関の研修や研究に参加し、新しい医療をめざしている

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